Jリーグが、いまひとつ盛り上がりに欠けている。J1は、横浜Fマリノス、浦和レッズ、サンフレッチェ広島の優勝争いが佳境を迎えている。本来であれば、人気のあるサッカーの国内リーグの栄冠に注目が集まってもおかしくないが、熱心なサポーターを除き、世間の興味が向いているとは言い難い。
事実、テレビ中継でも、日本代表の試合は視聴率20%を越えるが、年に数試合だけ放映される地上波Jリーグ中継の視聴率は1ケタ台前半の数字に落ち込んでいる。スポーツライターが語る。
「現在、Jリーグ観戦に訪れる人はリピーターが多数を占めます。Jリーグの観戦者調査によれば、2011年J1観戦者の36.2%が17 回以上、J2観戦者の36.9 %が19回以上も、年間でスタジアムに訪れている。もちろんリピーターを作るのは重要なことだし、この数字は素晴らしい。でも、新規の観客が増えない限り、リーグは繁栄しないでしょう」
Jリーグは人気低下に危機感を抱き、2ステージ制の検討を行なっているが、多くのサポーターは反対を表明している。世界基準の1ステージ制をやめるという判断は、もってのほかだ、と言うのだ。では、どうすればよいのか。テレビ局のスポーツ担当者は、短期間のトーナメント導入を提案する。
「以前は日本代表の試合がJリーグの宣伝になっていた。しかし、現在の主力はほとんど海外でプレーしている。代表の試合がJリーグに注目を集める起爆剤になっていない。だからこそ、Jリーグが現在の制度のままでは、地上波で中継し続けるのは難しいでしょう。
しかし、短期間のトーナメントなら、一見さんも盛り上がれるし、テレビも一発勝負なら放送しやすい。『別に本当のファンだけ観ればいい』というサポーターもいると思いますが、そのような排他的な考えでは、いずれJリーグは危機的状況を迎えます。存続を考えるなら、なんらかの抜本的な改革が必要なのは間違いないでしょう」
観客動員数も、昨年と比べて減少しそうなJリーグ。コアなサポーターから批判を受けても、何らかの処置を講ずる必要はあるのかもしれない。