国際情報

国境越えて戦闘員が2万人 アル・カイダから生まれたIS変遷史

ISが活動するシリアやアフリカから多くの難民が流入 AP/AFLO

 世界秩序激変の震源地となっているのがIS(イスラム国)だ。拠点とするシリア・イラクには、世界から国境を越えて約2万人が結集し、戦闘員となっている。アル・カイダから生まれたISの変遷史を見てみよう。

1999年:ヨルダン人のザルカウィがヨルダン王政打倒・カリフ制樹立を掲げるイスラム原理主義組織「タウヒード・ワ・ジハード」を結成(同組織は2004年以降、外交人を拉致した後、覆面の男が首を切り落とす動画をネットで世界に発信するという残忍な宣伝方法をとり、ISはそれを引き継いでいる)

2004年10月17日:ザルカウィはアル・カイダのオサマ・ビン・ラディンに忠誠を誓う書簡を送り、組織名を「イラクの聖戦アル・カイダ組織(イラクのアル・カイダ=AQI)」に変更

2005年9月:ザルカウィはイラク国内のシーア派に対する全面戦争を宣言

2006年1月15日:AQIは「ムジャーヒディーン諮問評議会(MSC)」と名称変更

6月7日:米空軍F16戦闘機がザルカウィの潜伏先を空爆(ザルカウィ死亡)

6月12日:MSCはエジプト人のアブー・アイユーブ・アル・マスリをザルカウィの後継者に指名

10月:MSCは「イラク・イスラム国(ISI)」と改称し、イラク中部を領土して建国宣言。「首長(アミール)はイラク人のアブー・ウマル・アル・バグダディ、アル・マスリは実質的指導者としてISIの「軍事相」に就任

2010年4月18日:イラクのマリキ首相は、ISIの「アミール」のアル・バグダディと軍事相のアル・マスリがティクリート近郊での米・イラクの合同作戦により死亡したと発表

5月16日:イラク人のアブー・バクル・アル・バグダディがISIの「アミール」に就任

2011年10月4日:米国務省はISIのアル・バグダディに関する有益情報に対して1000万ドル(約8億円、当時)の報奨金を支払うと発表

2013年4月:ISIはシリアの過激派の一部と連携し「イラクとシャーム(レバント)のイスラム国(ISIS、ISIL)」を宣言

2014年6月29日:ISISはカリフ制の「イスラム国(IS)」の樹立を宣言し、アル・バグダディがカリフに就任

2015年5月20日:イラクのマアスーム大統領は、アル・バグダディが有志連合の空爆で負傷したが、会話ができないほど深刻な状態ではないと言明

※SAPIO2016年2月号

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