投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の12月12日~12月16日の動きを振り返りつつ、12月19日~12月22日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。前週の6日からの連騰記録は9日となり、連日の年初来高値を更新している。トランプ物色が続く米国市場の上昇が支援材料となるなか、コア銘柄を中心とした海外投資家の資金流入に強い相場展開が続いた。注目されていた米FOMC(連邦公開市場委員会)でFRB(連邦準備制度理事会)は、1年ぶりとなる政策金利の引き上げを全員一致で決定した。同時に、向こう1年に従来予想以上の速さで利上げを実施するとの見通しを示した。米国市場では利上げペースの速さを嫌気する場面もみられたが、翌日にはトランプ物色が強まっていた。円相場は1ドル118円台に乗せるなか、日経平均は連日で年初来高値を更新。
ただし、クリスマス休暇から相場のけん引役である海外勢のフローは減少傾向にあるほか、日経平均の19000円回復でいったんは達成感も強まるなか、利益確定の流れも強まってきている。日経平均は9連騰となり、連日で年初来高値を更新しているが、先週5日間のうち、4日間で陰線を形成しており、利益確定の売りが意識されている。一方で、上昇する5日線に沿ったトレンドを形成しており、押し目待ちに押し目なし、の状況が続いている。
今週は、より海外勢のフローは限られてくるため、物色対象にも変化が表れよう。とはいえ、米国ではFOMCが通過すると年末にかけて大きな不透明要因はなく、長期金利及びインフレ期待の上昇や原油価格の上昇も緩やかなペースで進む限りは、株式相場にとってはプラスの影響が期待されるところ。来年1月に就任するトランプ次期大統領の政策に対する期待感は引き続き根強く、出来高が細る中でも強い相場展開が予想されよう。
国内については日銀の金融政策決定会合が開かれる。ただ、市場では現状維持が予想されている。米大統領選挙後の円安・株高の追い風を受けて、日銀は当面、様子見を続けるとみられる。手掛かり材料といえは、トランプ物色が持続するかであり、トランプ物色が強まるようだと、コア銘柄からは脱せないだろう。一方でクリスマスムードが強まるようだと、個人主体による材料株物色にシフト。海外勢のクリスマス休暇が意識されるなか、通常であれば材料株での掉尾の一振(とうびのいっしん)を狙った短期売買が中心になりやすいところではある。