投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月27日~3月3日の動きを振り返りつつ、3月6日~3月10日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。2日には一時19668.01円を付け、1月5日以来の昨年来高値を更新した。トランプ大統領の議会演説を控えるなか、週前半はこう着感の強い相場展開が続いた。しかし、トランプ大統領の議会演説では過激な発言等もなく、無難に通過したとの見方から安心感が高まり、日経平均は19400円を回復。さらに1日の米国市場では議会演説が好感されたほか、利上げ観測の拡大を受けて金融セクターを中心に上昇し、NYダウは300ドルを超す上昇となった。これが支援材料となるなか、日経平均の昨年来高値更新に波及した。
トランプ大統領の議会演説後は、市場の関心は3月の利上げの可能性に向かった。ゴールドマン・サックスは3月の米利上げの確率を30%から60%に引き上げたほか、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルが、従来予想では、利上げは6月と12月の年2回だったが、3月、9月、12月の年3回の予想に変更。さらにブレイナードFRB理事は、米国と海外の経済について前向きな見方を示した上で、そうした状況が米金融当局が「早期に」利上げに踏み切る論拠となりそうだとの見方を明らかにした。
今週も引き続き米国の利上げの行方が変動要因になりそうだ。まずは3日のイエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長講演による市場の反応が週明けの動きに反映されよう。その後も週末の米雇用統計に向けて、利上げへの思惑が変動要因になりそうだ。その他、週末にはメジャーSQが予定されている。今週の日経平均の上昇によって19500円固めが意識されるが、波乱も警戒しておく必要があろう。SQ通過後は期末要因で機関投資家は動けなくなるため、引き続き中小型株が活躍する相場展開だろう。