角界を揺るがす「暴行事件」のきっかけは、同郷の大先輩である横綱の説教中に、平幕の貴ノ岩がスマートフォンを操作したことだったと伝えられている。
もちろん暴力は許されないが、たしかに“そういう若いヤツ”は増えている気がする。平然と「スマホいじり」を続ける若者への適切な対処法とは──。
政界は長い下積みを必要とするタテ社会だが、元日本共産党参議院議員の筆坂秀世氏(69)は、こう言う。
「1年生議員が共産党委員長や自民党総裁から指示や叱責を受けている時にスマホをいじったら無礼千万。たとえスマホが鳴っても出るべきではない」
ただ、そんな感覚を持つ筆坂氏もだんだん諦めの境地に入ってきた。同氏が思い出すのは、同世代の男性3人と30代の女性1人というメンバーでの食事会だ。女性は、会話しながらスマホをいじっていた。
「我々の話に集中していないのがわかってイヤな気分になり、『この辺で終わろうか』と言うと、その女性はあっさり『そうしましょう』と返してきた。もうジイさんたちと一緒はゴメンだと思ったんでしょうね」
そうした体験を経た筆坂氏は、あえて配慮を見せることを勧める。
「逆に『電話が鳴っているようだけど、出なくて大丈夫か』と気にしてあげます。そうすると若い人も電話に出ないと心を決めて“いいんです”と言ってくれることがある。一応、こちらも気を遣ってやった、ということになりますしね」
そんな配慮は、スマホ目線の若者の視界に入るのか。
※週刊ポスト2017年12月8日号