令和元年も早12月。会社の同僚や友人たちと一年を締めくくる忘年会シーズンとなった。近頃の忘年会は飲んで大いに盛り上がる“大宴会型”だけではない。ここ数年、特に中高年の間で静かなブームになっているのが、蕎麦会席をつつきながら、飲んで語らう蕎麦屋の忘年会だ。
東京では、江戸蕎麦発祥の地で、江戸の蕎麦屋1号店が開かれたことでも知られる日本橋が人気。再開発で変貌を遂げつつある街には今も、江戸・明治から歴史を重ねた老舗がひしめいているが、とりわけ蕎麦会席で舌の肥えた食通を唸らせているのが、明治35年(1902年)の創業から、四代百年以上にわたり、同じ場所でのれんを守り抜く「日本ばし やぶ久」だ。蕎麦好きには、上質な鰹節を贅沢に使用した出汁で作るスパイシーな『カレー南蛮そば』で知られる日本橋の名店である。
この老舗が今年、初代より受け継がれた「やぶ久」伝統の味をそのままに、趣を変えた新店として開店したのが「日本ばし やぶ久 銀座店」だ。
◆日本橋の老舗が銀座にオープンした隠れ家的スポット
東京メトロ銀座駅からはいずれも徒歩3分圏内とアクセスは抜群。銀座レンガ通りにに面したビルの地下1Fにある店は、昭和風情を今に残す本店に対し、銀座の街の雰囲気をいかした、おしゃれなで落ち着いた佇まいが特徴。かけ、もりなどの蕎麦メニューに加え、旬の素材を使った蕎麦や、銀座店だけの一品料理、蕎麦会席など、銀座らしいちょっと贅沢な味も用意されている。
四代目店主によれば、そば粉は日本橋の本店と同じく、北海道産と茨城産のいいとこ取りでブレンドした最高級品を用い、そば粉10、つなぎの小麦粉2の割合で配合した、“外二(そとに)”を使用。香り立ち豊かで、切れにくく、のどごしの良い蕎麦の極みを堪能できる。蕎麦の味わいを引き立てる蕎麦つゆは、1.2mmの厚削り本枯鰹節と宗田節をふんだん使い、添加物を加えず、水、醤油、味醂、砂糖だけででじっくり時間をかけて煮出した風味豊かな濃い口だ。本店の看板メニュー『カレー南蛮そば』もここで味わえる。
◆蕎麦の旨みを堪能できる一品料理も充実の「鴨鍋コース」
店内にはゆったり寛げる4名掛けの完全個室と半個室があり、同僚や気の置けない友人と食べて、飲んで、語らう、忘年会で使う店としても最適である。忘年会におすすめしたい料理は、この季節のみ食べることのできる「鴨鍋コース」だ。
蕎麦と鴨肉の相性のよさは「鴨南蛮」でお馴染みだが、上質な鴨肉だけを使ってつくる、やぶ久こだわりの鴨鍋は別格の味わい。煮ることで出汁がまんべんなく鴨肉や野菜へ染み込み、話に夢中になっていても箸が自然と進んでいく。
美味しさを一層引き立てるお酒も、日本酒やシャンパン、ワイン、蕎麦ビール、オリジナル焼酎など、料理に合う豊富なラインナップ。板わさ、味噌、蕎麦がき、出汁巻き玉子など、熟練の板前が腕を振るう、一品料理も最高のつまみになる。鍋に舌鼓を打ったあとは、江戸っ子気分で自慢のせいろもりで締め。年忘れにふさわしい贅沢な時間を過ごせる。
忘年会だけではなく、特別な接待や、デートなどにもぴったり。隠れ家的に使ってみるのもいいだろう。
●日本ばし やぶ久 銀座店
住所/東京都中央区銀座3-3-6銀座モリタビルB1
営業時間/11:00~15:00(L.O.14:30) 17:00~22:30(L.O.22:00)
定休日/無休
アクセス/東京メトロ各線「銀座駅」より徒歩3分、東京メトロ有楽町線「銀座一丁目駅」より徒歩3分、JR京浜東北線・山手線、東京メトロ有楽町線「有楽町駅」より徒歩5分
クレジットカード/VISA、Mastercard、JCB、AMERICAN EXPRESS、Diners Club、Discover Card、UC CARD、SAISON CARD、NICOS、銀聯。交通系ICカード、電子マネー使用可