国内

トラブル多い大学のオンライン授業 課題提出にもひと苦労

緊急事態宣言の発令を受け、予定されていた入学式やガイダンスなどは全国的に中止になった(写真/時事通信社)

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が完全に解除されてもなお、大学ではオンライン授業が主流となっている。いまなお日常を取り戻せない大学生たちはどう考えているのか──。

 デジタル・ナレッジ社の調査によれば、オンライン授業を実施している大学は97%以上。そのほとんどが、4〜5月に緊急導入された形だ。

 大学側も降って湧いた事態に試行錯誤中とはいえ、オンライン授業の内容や運営に不満を感じる学生や保護者も少なくない。

 甲信越にある実家から神奈川県にある私立大学に進学したAさん(女性)は、大学の目の前にあるアパートに居を構えながら、まだ一度もキャンパスに足を踏み入れたことがないと話す。

「人と話していないからおかしくなりそうで、すぐに実家に戻りました。でも実家でオンライン授業を受けていると、高校時代と生活が変わらなすぎて、長い休みにいるような感覚です。授業内容も、これが大学生っぽいかといわれると……う〜ん、ぶっちゃけ、教授次第ですね(苦笑)」(Aさん)

 彼女が選択した授業はすべて必修科目というが、「指定の本を読んでレポートを提出するもの」もあれば「教授のレクチャー動画を見てレポートにまとめるもの」、「Zoomアプリを使って学生同士が話し合うようなもの」など、教授によって内容は異なるという。

「期末テストの代わりにレポート提出になることが多かったんですが、授業を受けた分だけ1000文字程度のレポートがたまっていって。最後は抜け殻みたいになりました(苦笑)」(Aさん)

 あまり悲壮感を感じさせないAさんだったが、母親はこうも話してくれた。

「レポートに追われて追われて、とにかくずーっと課題をしていましたね。期末のときは見ていてもつらそうで、おかしくなっちゃうんじゃないかと心配になりました。

 それに、オンラインにまつわるトラブル対処も大変で。そもそもパソコンに詳しくないから、課題をうまく送れないときに先生に尋ねても先生本人がよくわかってないみたいだし、受け取りましたの連絡もないから送れているかどうかもわからない。こういうとき、友達とか先輩とかが周りにいたら解決できることもあるんだろうなと思うんですけど……」

 そんなAさんは、月に1度の専攻課目以外の授業1コマのためだけに友人・知人のいない土地でひとり暮らしをするよりは、実家に帰った方がいいと判断。数日間しか住んでいないアパートをそのままに帰郷している。

※女性セブン2020年10月29日

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