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「至近距離でスマホ」に注意 老眼のような状態になることも

つい至近距離で見がちのため注意(写真/PIXTA)

「最近、寝ても寝ても疲れがとれません。肩は常に凝っている状態です」(40代女性)
「1年ぶりに帰省してきた子供に開口一番“顔が老けた”と言われて、大ショック。まだボケるには早いはずなのに、物覚えも悪くなった気がします……」(50代女性)

 誰にでもありそうな、そうした体の不調。実はその原因はすべて「スマホ」かもしれない。しかも、悪化すれば、命にかかわる重大な病気を引き起こす可能性があるというから恐ろしい。最も顕著に影響が出るのが「目」だ。

「スマホの使用時間が長くなると自然と瞬きの回数が減り、目の乾いた状態が続くために、ドライアイや眼精疲労が引き起こされます」

 そう警鐘を鳴らすのは、ちくさ病院の総合内科医・近藤千種さんだ。眼精疲労とは、目の痛みや頭痛などが続く病的な状態をさす。一般に「疲れ目」が悪化すると眼精疲労に進行するといわれ、休憩や睡眠をとっても症状は消えなくなる。目が疲れる、ぼやける、しょぼしょぼするといった目の症状だけでなく、肩凝りや倦怠感、めまい、吐き気など、さまざまな症状を引き起こすという。

 特に最近は在宅勤務が増え、スマホを利用する時間が長くなり、眼精疲労を起こす人が増えているという。実際、ロート製薬が行った調査では、6割以上がスマホなどデジタル機器に触れている時間が増えたと回答した。なかでも、約2割は1日あたり5時間以上増えたと回答している。さらに、同じデジタル機器のなかでも、テレビやパソコンに比べてスマホによる影響は大きいという。

「手で持って目から画面までの距離を調整できるスマホは、至近距離で見がちです。スマホを至近距離で見続けると、視点が一点に集中しやすく、目はすぐに疲労困憊してしまう。目のピントをあわせる筋肉である毛様体筋は疲労し、知らぬ間にピント調節機能が正常に働かなくなるんです。若い人でも老眼のような状態になる可能性すらあります」(近藤さん)

“ちょっと目が疲れているだけだから”と放っておいては、取り返しのつかないことになる可能性があるのだ。さらに視神経の疲れが脳の聴神経まで敏感にさせ、最悪の場合「メニエール病」を引き起こす可能性があると指摘する専門家もいる。

 メニエール病は男性よりも女性に多い病気で、症状はめまいや難聴、耳のつまりなど。悪化すると立っていられないほどの吐き気を引き起こす。医学的には原因不明とされているが、スマホの使いすぎにはそんな重大なリスクが潜んでいるのだ。

※女性セブン2020年11月5・12日号

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