選挙結果をなかなか受け入れないトランプ氏のような人が、周りにいませんか……? そう、自分は支持されていると思い込んで、派手な振る舞いと、差別に満ちた発言を繰り返す「トランプおばさん」が、あちこちにいるんです! 本家本元に負けず劣らずのしぶとさ、いったいどうしたらいいのでしょうか? 北関東に住む60才の女性が、“トランプ化”する姑のエピソードを紹介します。
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82才の姑は、「交通安全母の会」〇△地区の会長。毎年、秋の全国交通安全運動が終わると、会長や役員の見直し時期なんだけど、その座に居座ろうとする姑のしぶとさは並じゃないわよ。
正直、みんなは姑に辞表を出してほしいの。そりゃそうよ。本人はとっくに運転免許証を返納しているし、ここ数年は杖をつかないと歩くのもおぼつかない。ところが姑は、「あと1年」だの「集大成」だの「有終の美」だのと首をタテに振らないんだよ。
そして、いよいよになると、70代半ばの部下を引き連れて、大きな真珠のブローチをつけて警察に挨拶に行く。
そりゃあ、署長はじめ誰もが新人の頃から、姑は「会長」だもの。「これはこれは先生」と、最大のもてなしをするって。そんな署長に「私も引退を考えているけど、どう思う?」って水を向けたら、「先生にはまだまだ頑張っていただかないと」と答えるわよ。で、姑は「ま、そこまで言われたら」でシャンシャン。一度、権力を握ったら、全力で守る。アメリカ大統領も田舎のバアさんも一緒ね。
取材/氏家裕子 構成/野原広子
※女性セブン2020年12月17日号