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キャベツ、ざくろ、ぶどう… 世界の開運フード、それぞれの由来

(写真/GettyImages)

「12粒の幸運のぶどう」はスペインでは古くからのならわし(写真/GettyImages)

 日本でおめでたい食べ物といえば、鯛、海老、アワビなど、高級食材が思い浮かぶ。日本人には意外だが、ケールやキャベツなどの葉物野菜は、欧米では開運食材とされている。アメリカでは緑色のドル紙幣を葉物野菜に見立てて、金運アップにつながると考えられているのだ。管理栄養士で、群馬大学などで教鞭を執る大石みどりさんはいう。

「食品の流通がいまのように発達していなかった昔は、冬に新鮮な緑の野菜が食べられるのは一部の人だけでした。茶色っぽい保存食ばかりの中で色鮮やかな野菜が食べられるのは、お金持ちの証。そんな葉物野菜を食べることで、富につながると考えられていたのです」

 ケールもキャベツも、冬に旬を迎える野菜。冬の葉物野菜は栄養価が高く甘みが強いため、験担ぎをしながら健康も手に入れられる。

 同じく日本人にはあまりなじみのない開運食材は、ざくろ。仏教においては「吉祥果」とも書き、縁起のよい食べ物と考えられている。赤い色とその形は心臓を表すとされ、宝石のように赤く輝く赤色の粒1つ1つに種があることから、子孫繁栄を表し、特にトルコで幸運の食べ物として親しまれている。薬剤師資格を持つ料理研究家の吉田三和子さんはいう。

「ざくろの赤色は、高い抗酸化作用を持つアントシアニンによるもの。カリウム、ビタミンCのほか、エストロンやエストラジオールなどの女性ホルモンに近い成分も豊富で、アンチエイジングや更年期障害対策に役立ちます。また、美白成分として化粧品にも使われるエラグ酸も豊富で、これは糖尿病の予防にも役立ちます。日本ではジュースや酢、グレナデンシロップなどで取り入れるのが手軽です」

 なるほど、クレオパトラや楊貴妃が好んで食べていたといわれるのも納得だ。

 日本では、節分の日に年の数だけ豆を食べて一年の健康を願うが、スペインでは、年末に12粒のぶどうを食べる。約3秒ごとに鳴る鐘が12回鳴り終えるまでにすべて食べきることができれば、その一年は幸せに過ごすことができるというもの。

 食べ物に願いを込める風習は世界各国にある。今年一年の幸せを願いながら、旅行気分で試してみては。

※女性セブン2021年1月28日号

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