ライフ

「キノコは仲間と会話していた」衝撃論文を日本の菌類博士が読み解く

SFのテーマになることも多いキノコ(写真はイメージ)

SFのテーマになることも多いキノコ(写真はイメージ)

 驚きの研究結果が発表された。4月6日、英国王立協会の学術誌『Royal Society Open Science』に掲載された英国西イングランド大学の論文によれば、「キノコが電気信号を使っておしゃべりをしている」というのだ。

 同論文では、スエヒロタケやエノキタケなど異なる4種類のキノコに電極を刺し、キノコ内に走る電気活動を測定。その結果、それぞれの種類ごとに特徴のあるパターンが記録され、パターンを単語とみなしたとき全体が「文章」になることが明らかにされたという。

 観測された単語の数は合計50種類。単語の組み合わせから最も複雑な文章を作るのはスエヒロタケ、次いでサナギタケとなるなど、種によって「文法」が異なるとし、研究ではキノコの種類それぞれの「方言」が使用されているからだと分析された。

 毎日の食卓で馴染みがあるキノコだけに、電気信号を用いてしゃべっているとすれば衝撃だ。

 静岡大学特別栄誉教授であり、キノコに関する多数の学術論文を提出している河岸洋和氏が、今回の研究について解説する。

「これまでもマツタケとアカマツがそれぞれ成長に必要な物質を分泌しあっていたり、匂いを出して虫を誘引するなど、物質レベルでコミュニケーションをしていることはわかっていました。しかし今回の研究は、キノコ内に流れる電気的な信号に着目している点で新しいといえるでしょう。それを単語や文といった構造に当てはめていった点もこれまでの研究にはないアプローチです。

 キノコの面白い特徴として、ひとつの場所に固まって生えているキノコの一部に光を当てると、光が当たっていない場所のキノコも一緒に成長したり、生えてきたりするんですよ。それぞれのキノコは、キノコが生えている樹木や土の中で『菌糸体』という塊と繋がっていて、一見別々に見えるものでも同じ個体なのですが、この菌糸体を通じて今回のような電気信号のやりとりがされているとすれば面白いですね」

 光を浴びたキノコが「こっちで光が当たっているよ」と会話することで、他のキノコがニョキニョキと生えてくる、という仕組みだ。

関連記事

トピックス

大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
主演映画『碁盤斬り』で時代劇に挑戦
【主演映画『碁盤斬り』で武士役】草なぎ剛、“笠”が似合うと自画自賛「江戸時代に生まれていたら、もっと人気が出たんじゃないかな」
女性セブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
大家志津香
《2024年後半、芸能界は誰がくる?》峯岸みなみに代わり“自虐”でオファー増加の元AKBメンバーなど5人
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン