神奈川県藤沢市で、まだ2才の男児が実の母親から暴行を受けて死亡した事件を巡り、新たな事実が分かってきた。この事件は、昨年4月に当時2歳の息子・空来(そら)くんを暴行のうえ死亡させたとして2月21日、藤沢市の田代芽衣容疑者(27)が、傷害致死の疑いで逮捕されていた。
「田代容疑者は空来(そら)くんを妊娠後、妊婦検診をほとんど受けず、おむつなども購入していなかったことが明らかになっている。母子健康手帳もなく、母子の愛着形成ができていなかった。関係者の中には『起こるべくして起きた事件だ』と口にする人もいます……」(警察関係者)
1995年に藤沢市で生まれた田代容疑者は、その後、小田原へ転居。同市内の高校を卒業していた。
「小田原にほど近い地域で工務店を営む男性と母親が再婚し、当時はそこが実家でした。スタイルも良くて可愛いギャル風の女の子でした。10代の頃は弟とともにやんちゃで有名な姉弟でしたね。芽衣さんは高校を卒業後、19歳で最初の結婚をしていて、同時に子どもが生まれています。最初の子どもは女の子だったはずです」(地元の知人)
その後、最初の子どもの父親と離婚した田代容疑者は平塚に移り住む。2019年5月、田代容疑者が24歳の時に生まれたのが亡くなった空来くんだ。妊婦健診などを受けていなかった田代容疑者は行政の支援を要する「特定妊婦」と認定されていた。シングルマザーとして出産後、医療機関から「新生児を迎える準備ができていない」と通告があり、空来くんは生後すぐに乳児院へ保護されることになる。
2020年に平塚から藤沢へ転居した田代容疑者は、引き続き空来くんとは別々に暮らしていたが、翌年2月、空来くんの父親とは別の男性との間に男児が誕生する。その2か月後、田代容疑者が口にしたのが「空来くんを引き取りたい」という希望だった。
児童相談所による「引き取りプログラム」が開始され、親子は約1年をかけて「面会」「外出」「外泊」とステップを重ねていき、昨年3月末、空来くんは生まれて初めて母親との同居生活をスタートさせる。しかし、母子が同居を開始して1か月で悲劇は起きた――。