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ホテルの「次世代型トレインルーム」が人気 初代スカイライナーの完全再現目指した部屋も

3400形が壁面いっぱいに描かれたトレインルーム。ワイパーは実際に使用されていた本物を設置(撮影:小川裕夫)

3400形が壁面いっぱいに描かれたトレインルーム。ワイパーは実際に使用されていた本物を設置(撮影:小川裕夫)

 鉄道の運転士気分を味わえるゲームやアトラクションは、長らく人気のジャンルとして知られるが、リアルさを追求するにも限界があった。そこに、リアルを知る鉄道会社グループが運営するホテルに本格的な鉄道員気分を味わえる部屋、次世代型トレインルームが登場している。ライターの小川裕夫氏が、京成電鉄の完全再現を目指した新トレインルームについてレポートする。

 * * *
 昨今、ホテル競争は激化し、客室も単に宿泊ができればいいというモノではなくなっている。ホテル・旅館各社は、集客のためにさまざまな工夫を客室に凝らすようになっている。そうした工夫の一端は、近年になって発展的にコンセプトルームという新しい形態を生んだ。

 JR各社や大手私鉄といった鉄道各社は系列のホテルを有しているが、そうした鉄道会社系列のホテルでは、近年になって集客の目玉として鉄道員の気分を味わえるトレインルームと称するコンセプトルームが増えている。

ファンの人気が高い3400形がホテルの部屋に

 トレインルームに明確な定義はないが、おおむね客室内に運転シミュレーターを設置しているほか、客室内の窓から鉄道風景を楽しめたり、室内装飾や什器に鉄道部品が使われたりといった”鉄道”感に満ちた部屋のことを指す。

 2002年、京成電鉄は千葉県千葉市の千葉中央駅に隣接して系列ホテル「京成ホテルミラマーレ」をオープン。それまで、同ホテルは千葉中央駅に併設するスタンダードなホテルだったが、2022年7月にトレインルームを開設。これが好評を博したことから、2023年10月16日に新たなトレインルームを新登場させる。

「このほど新しく設置するトレインルームは、それまでのトレインルームと比べて格段に本格的になっています。運転台は、実際に京成電鉄で走っていた3400形のモノを使っています。3400形は、特急のスカイライナーAE形(初代)の走行機器を流用した車両です。3400形は残り3編成でしたが、2編成が引退することになったのです。同時期にトレインルーム増設の話が出ていたこともあり、3400形の運転台をはじめ機器類をトレインルーム用に譲り受けて使うことになったのです」と説明するのは京成ホテルミラマーレ広報担当課長の長尾宗二さんだ。

 AE形(初代)は、新東京国際空港(現・成田国際空港)へアクセスする特急列車用の車両として新製された。AE形(初代)は1973年にデビューしたが、空港の開港が遅れたこともあり、当初は成田山新勝寺の参拝特急「開運号」として運行することになる。

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