芸能

高田文夫氏 好きな話をして、一杯やって聞き上手に囲まれている幸せ

『力道山未亡人』の著者・細田昌志氏と一杯やった高田文夫氏(イラスト/佐野文二郎)

『力道山未亡人』の著者・細田昌志氏と一杯やった高田文夫氏(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は“聞き上手”に囲まれた幸せについて綴る。

 * * *
 幕を閉じれば結局五輪の日本は強かった。ガガに始まりトム・クルーズに終わる私の演出の妙(ン? 私はノータッチ? そうだっけ?)。「金20個とった」と大騒ぎ。我々の業界的に言えば“田中(爆笑問題)20人分”ということである。相方太田はニコタマである。

 瞳を閉じればやっぱり力道山は強かったという話である。『力道山未亡人』(小学館)がよりにもよって相当面白く、かなり売れてるときき著者の細田昌志を呼び出し、一之輔(『笑点』)と「焼き鳥で一杯やろう」と約束。お盆の季節、亡くなった人の話もいいものだ。当日新宿へ行くと何処でどう聞きつけてきたのか10人が集まっている。ポカスカジャンのタマやらロケット団の三浦やら立川志らら。「なんで?」」「噂になってまして。センセーと力道山が猪木の話をするって」。もうほとんど意味が分からない。

 細田と私で古いプロレスゴシップの応酬。ステキなキャラの未亡人の話。そこから芸能界のスキャンダルの大行進に、参加した10人は生ツバゴクリと息をのむ。作家でもスタッフでも芸人でもこの世界にいる以上、一番の御馳走が噂の真相なのだ。

「ところで高田センセーの“月刊Takada(飛鳥新社)”どの位行きました?」「いま4刷」。細田小さくガッツポーズをしやがって「勝ったー。私、5刷が決まりました。小学館サマサマ、サマーバーゲンです」。うるせい。

「もっと力道山とか、豊登とか遠藤幸吉の話をきかせろ」。まあ出てくる、出てくる。好きな話をして、一杯やって聞き上手に囲まれているというのが一番の幸せだネ。誰が言ったかこの「未亡人の会」が「高田文夫の話を愛する会」と名が変わっていた。マスコミ仕事をしながらこうしたミニコミ交流も大切にする。まさに私は“芸能の鑑”だネ。

 私も飲むと談志によく言われた。「なんでお前と飲んでるか。高田に想い出をつくってやっているんだ」。今になると意味が良く分かる。

 そんな2日前、野末陳平先生(92歳)が「いつも御馳走になってばかりいるからたまにはオレにいいモノ、御馳走させてくれよ」と言うので陳サマなじみの銀座の高級天ぷらへ。この世で私におごってくれるのは陳サマ只一人になってしまった。ふところ痛まないと美味だ。

 今週はこのあと、悪友立川左談次未亡人を囲んだりしながら“旧だくだく会”(俳句)残党による暑気払いの会やら、孤独な松村邦洋(独身。60近い)の誕生日だから仕方なく数人集まって飲み食べる会。当の松村は一滴も飲めない下戸。(だったら誕生日なんか来なくていい!)

※週刊ポスト2024年8月30日・9月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
トルコ国籍で日本で育ったクルド人、ハスギュル・アッバス被告(SNSより)
【女子中学生と12歳少女に性的暴行】「俺の女もヤられた。あいつだけは許さない…」 執行猶予判決後に再び少女への性犯罪で逮捕・公判中のクルド人・ハスギュル・アッバス被告(21)の蛮行の数々
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン