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歩行時、膝には体重の約3倍の負荷 膝痛予防には減量が有効

 関節の痛みは、老衰に次いで「要支援」の原因を占めている(2004年厚生労働省・国民生活基礎調査)。世界最大規模の疫学研究ROADプロジェクトは、日本には50歳以上で膝関節が変形したり、すり減ったりする“膝OA(変形性膝関節症)”の患者が約2400万人、このうち痛みを感じる人は820万人と推定。その痛みを予防、緩和するために、「自分でできる膝ケア」アイテムやサービスへの需要が急増している

 就寝用の膝サポーター「星虎の赤ひざ先生」(オリジナル)は、2003年の発売以来、累計11万個を売り上げる。また、関節などに皮膚から浸透して、痛みをじかにとる成分のインドメタシンを配合した外用消炎鎮痛薬「バンテリンコーワ液W」(興和)は、ユーザーのニーズを受けて、昨年7月から90g大容量サイズを展開している。 
 
 住宅業界ではすでに、バリアフリーという概念が定着している。

「1996年に住宅金融支援機構(旧:住宅金融公庫)が、『バリアフリー基準』を満たした物件に対する融資の優遇を始めました。それを受けて、住宅のバリアフリー化への需要は年々高まっています」と、大手住宅メーカー・大和ハウス工業総合技術研究所の菅野泰史氏は話す。

「廊下や浴室の段差を極力減らす、手すりをつけられるように、あらかじめ下地材を壁の中に入れておくなど、設計段階から、身体機能の低下を見据えた住まい作りを提案しています」(菅野氏)

 自分自身が不安を感じている人だけでなく、親の膝痛ケアを考えている人も増えているのだろう。

「歩くとき、膝には体重の2.7~2.8倍の負荷がかかります。ですから、老化に伴って、膝の軟骨がすり減ったり、関節が変形したりするのは必然です」と、日本赤十字社医療センターの整形外科医・千代倉吉宏医学博士は話す。

「膝の痛みを予防する方法はまず、体重を減らすこと。2kg減量で、膝への負担は5kg以上減らせることになります。大腿部の筋肉を鍛えることも有効です」(千代倉博士)

※週刊ポスト2011年3月11日号

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