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長寿と関連した“テロメア” 維持するには肥満・喫煙が大敵

 白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏によると、老化現象を抑えることができるDNAが最近発見されたという。以下、白澤氏による解説だ。

 * * *
 長寿の研究で、いま最も注目されているのは、テロメアDNAとサーチュイン遺伝子。若い頃は日焼けしてもすぐ元に戻ったのに、最近はシミになる。疲れがとれない。ケガや風邪が治りにくい……。いわゆる老化現象は、本来再生されるべき細胞が、テロメアDNAがすり減ったために再生されなくなって引き起こされるものだ。

 長い間、テロメアの再生は無理だとされてきた。しかし、最近、長寿研究で有名な米国MITのガレンテ教授、ハーバード大学のシンクレア博士により発見された長寿遺伝子、サーチュイン遺伝子に、テロメアがすり減るのを抑える働きがあることが分かったのである。

 サーチュイン遺伝子は酵母等の単細胞生物から哺乳動物までほとんどの生物が持っているが、ヒトでは7種類のサーチュイン遺伝子がある。動物実験では、カロリー制限した食事を30~60日摂り続けるとサーチュイン遺伝子が働きだすことが分かっている。

 サーチュイン遺伝子をオンにしてテロメアを長持ちさせるには、まず肥満と喫煙を避けることだ。英国ロンドン在住の18~76歳の女性1122名のテロメアを調べたら、肥満の人は、そうでない人に比べてテロメアが平均8.8年分も短かった。また、タバコを1日1箱、40年間吸い続けた人は、テロメアが7.4年分短かった。

※週刊ポスト2011年9月2日号

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