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葬儀料金 パック料金53万円でも最終的に110万円になる例も

 みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイ ブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、葬儀料金について考察する。

 * * *
 葬儀一式50万円! と聞けば、葬儀の全てがその額に収まると思うのが普通だろう。業界では「パック料金」といわれているこの形式、実は葬儀全体からみれば、ごく一部分しかカバーしていない。

「葬儀の予算は100万円。だから100万円のパック料金で」。パック料金に全てが含まれていると思い込み、「あとはお任せします」なんてやってしまうと、請求書が来た時に「た、高い!」という大変なことになっちまうのだ。

 なぜそんなことが起きるのか。まず、通常、パック料金に含まれている項目を確認してほしい(葬儀社によって異なる場合もある)。

 ややこしい話だが、葬儀社によっては「祭壇一式」というパックにしているところもある。この場合、「葬儀一式」から、寝台車、棺桶、ドライアイス、遺影、位牌、骨壺、自宅用後飾りといった項目が除かれることが多いから要注意。いずれも祭壇の大きさ、使用する花の種類や量、棺桶などのグレードで料金が異なる。

 では、パック以外にどんな料金が必要になるのか? 老舗「帝都典禮」作成の〈仏式、家族葬、20名〉の見積もりを例にして考えてみたい。ちなみにこのプラン、いわゆるパック部分は52万9200円。以下はそれにプラスしてかかる費用になる。

【式場】帝都典禮碑文谷会館を2日間使用で21万円。式場費用はパック料金には含まれていない。葬儀式場をどこに設定するかで異なる部分だ。

【車両】病院などの逝去地から自宅など、斎場から火葬場への搬送、火葬場へのマイクロバスなどで8万100円。

【火葬場】東京都の場合、火葬費、控室費などで約9万5000円。火葬費用に関しては東京23区はほかの全国主要都市と比較して圧倒的に高くなっている。

【ケータリング】通夜振る舞い料理3150円×20名、初七日法要膳3670円×20名+飲み物。配膳人人件費などで18万9000円。意外とかかるのがこの項目。参列者が増えた場合はさらに増える。

【その他】会葬返礼品など1万500円。

 以上で合計が約57万円になる。パック部分と合計すると約110万円の葬儀になる。この中には読経、戒名などに対するお布施は含まれていないから出費はさらに増えるのだ。

※週刊ポスト2012年4月27日号

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