ビジネス

お得に「安・遠・短」の新しい旅が楽しめるLCC徹底活用法

 今年の旅のトレンドとして、注目したいのが、国内LCC(ローコストキャリア)の運航開始だ。3月1日には、初の日系LCCとなるピーチ・アビエーションが関西空港を拠点に運航を開始。

 続いて7月3日からはジェットスター・ジャパンが、成田空港を拠点に4路線を、関西空港を拠点に2路線を順次就航。8月1日には、エアアジア・ジャパンが、成田空港を拠点に札幌、福岡、那覇へ運航を開始する予定だ。LCCを使いこなせばリーズナブルに旅行が楽しめる。そこでその徹底活用法を旅行ジャーナリストの村田和子氏に伝授してもらった。

 * * *
 LCCの最大の魅力は、価格の安さ。関西や成田空港から札幌まで片道5000円以下で飛べるとなれば、思わず出かけたくなる人も多いだろう。大勢で動く家族旅行の場合は特に、交通費が節約できるメリットは大きい。国内LCCの登場によって、従来の「安・近・短」の旅だけではなく、短期間でも気軽に安く遠出をする「安・遠・短」の新しいスタイルの旅を楽しむ人が増えると予想される。

 ただしLCCは、フルラインサービスを提供する既存の航空会社と比べて、料金体系をはじめ、予約から搭乗までの手続き、機内サービスまで、さまざまな違いがある。LCCならではのルールを知らないと、思わぬ不便に直面することもある。有料サービスの内容や、予約変更・払い戻しなどの利用条件については、事前にきちんと調べておく必要がある。既存エアラインとLCCを比較して、大きく異なる点をいくつか挙げておこう。

【LCCの運賃は空席の状況などに応じて、日々変動する】
 同じ路線でも出発日や出発時刻によって運賃が異なり、発売後も空席の状況などに応じて運賃は日々変動する。一般に発売日が最安値で、搭乗日の1週間前~3日前が一番運賃が高くなる。空席が多く残っていれば、直前でも割安な運賃が出てくることもあるが、購入タイミングによって価格が大きく上下するので、予定が確定したら、通常は早めの購入がお勧めだ。

【購入後のキャンセル(払い戻し)ができない航空券もある】
 たとえば、ピーチ・アビエーション(以下ピーチ)の通常運賃にあたる「ハッピーピーチ」の場合、予約の取消し手数料は支払額の100%。つまり、購入後、利用者都合による払い戻しは一切できない。予約の変更は可能だが、手数料がかかり、変更先の運賃が購入運賃よりも高い場合は、その差額も支払わなくてはいけない。

 また、悪天候などで便が遅延・欠航した場合、払い戻しや他の自社便への振り替えは行なうが、既存大手のように他社便への振り替えはしないので、注意が必要だ。

【時間厳守は絶対】
 国内線では一般に出発時刻の15分~20分前がチェックインの締め切りだが、ピーチやジェットスター・ジャパンでは、出発30分前までにチェックインを完了しなければいけない。これを過ぎると自動チェックイン機が締め切られ、搭乗できなくなるので、遅刻は厳禁だ。

【飲み物等のサービスは有料】

【預け入れの荷物は有料】

【座席の指定は有料】
 自動的に座席を割り振られるので、同時に予約しても並び席を確保できる保証はない。家族で並んで座りたいならば、座席の指定は必須だ。

【満2歳から料金がかかる】
 従来の国内線では「2歳までの子どもは航空運賃は無料。満3歳以上12歳未満は小児運賃」というのが常識だったが、ピーチには小児運賃の設定はなく、満2歳から大人と同額の運賃がかかる。ジェットスター・ジャパンでは、2歳以上12歳未満は「子ども料金」となる(設定のない場合は大人と同額扱い)。

 2歳未満の子どもを膝の上にのせるにしても、LCCは座席が狭いため、かなり窮屈に感じるだろう。窓際の席から通路への移動もしにくいので、出発前にトイレや授乳などを済ませておく必要がある。乳幼児を連れて旅行する場合は、既存エアラインや新幹線などを利用したほうが、利便性や快適性の面ではいいかもしれない。

※マネーポスト2012年夏号

関連キーワード

関連記事

トピックス

競泳コメンテーターとして活躍する岩崎恭子
《五輪の競泳中継から消えた元金メダリスト》岩崎恭子“金髪カツラ”不倫報道でNHKでの仕事が激減も見えてきた「復活の兆し」
NEWSポストセブン
米・フロリダ州で元看護師の女による血の繋がっていない息子に対する性的虐待事件が起きた(Facebookより)
「15歳の連れ子」を誘惑して性交した米国の元看護師の女の犯行 「ホラー映画を見ながら大麻成分を吸引して…」夫が帰宅時に見た最悪の光景とは《フルメイク&黒タートルで出廷》
NEWSポストセブン
メーカーではなく地域の販売会社幹部からの指令だった(写真提供/イメージマート)
《上司命令でSNSへ動画投稿》部下たちから上がる”悲鳴” 住宅販売会社では社長の意向で「ビキニで物件紹介」させられた女性社員も
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」
香川県を訪問された紀子さまと佳子さま(2025年10月2日、撮影/JMPA)
佳子さまが着用した「涼しげな夏振袖」に込められた「母娘、姉妹の絆」 紀子さま、眞子さんのお印が描かれていた
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
《マトリが捜査》米倉涼子に“違法薬物ガサ入れ”報道 かつて体調不良時にはSNSに「ごめんなさい、ごめんなさい、本当にごめんなさい」…米倉の身に起きていた“異変”
NEWSポストセブン
きしたかの・高野正成(高野のXより)
《オファー続々》『水ダウ』“ほぼレギュラー“きしたかの・高野 「怒っているけど、実はいい人」で突出した業界人気を獲得 
NEWSポストセブン
迎賓施設「松下真々庵」を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月9日、撮影/JMPA)
《京都ご訪問で注目》佳子さま、身につけた“西陣織バレッタ”は売り切れに クラシカルな赤いワンピースで魅せた“和洋折衷スタイル”
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子に“麻薬取締部ガサ入れ”報道》半同棲していた恋人・アルゼンチン人ダンサーは海外に…“諸事情により帰国が延期” 米倉の仕事キャンセル事情の背景を知りうるキーマン
NEWSポストセブン
イギリス人女性2人のスーツケースから合計35kg以上の大麻が見つかり逮捕された(バニスター被告のInstagramより)
《金髪美女コンビがNYからイギリスに大麻35kg密輸》有罪判決後も会員制サイトで過激コンテンツを販売し大炎上、被告らは「私たちの友情は揺るがないわ」
NEWSポストセブン
第79回国民スポーツ大会の閉会式に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
「なんでこれにしたの?」秋篠宮家・佳子さまの“クッキリ服”にネット上で“心配する声”が強まる【国スポで滋賀県ご訪問】
NEWSポストセブン
"殺人グマ”による惨劇が起こってしまった(時事通信フォト)
「頭皮が食われ、頭蓋骨が露出した状態」「遺体のそばで『ウウー』と唸り声」殺人グマが起こした”バラバラ遺体“の惨劇、行政は「”特異な個体”の可能性も視野」《岩手県北上市》
NEWSポストセブン