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ボジョレーに負けない国産ヌーボー その実力をソムリエ解説

 今やお祭り騒ぎをするほどのイベントではない。だが、日本一ワインが売れる日であることは間違いない。ボジョレー・ヌーボーの解禁日が今年もやってきた。

 今年のボジョレーは、大手ワイナリー経営者ジョルジュ デュブッフ社の社長いわく、「収穫量は少ないがブドウの質は例年以上」。史上最悪と言われる不作の最大の要因は天候不良で、フランス・ボジョレー地区では夏場でも雹(ひょう)が降る低温が続き、ブドウの収穫量が例年より6割近く減った。

 それでも、販売価格は低価格競争の様相を呈している。背景には、フランスが、全生産量の4分の1以上を占める世界最大の輸入国である日本へ優先的に輸出したこと、また、円高の定着などがあるようだ。西友は、オリジナル商品「ボジョレー・ヌーヴォー」(750ml)を、昨年の690円からさらに下げ、650円で販売。ドン・キホーテはペッドボトルタイプ(750ml)を490円で販売する。そのほかにも、イオンは国内初となるPB(プライベートブランド)商品を発売するなど、値ごろ感のあるものが揃う。

 日本のボジョレー・ヌーボー市場は、2004年をピークに、2008年には半減した。だが、2009年から復調を見せる。ワイン市場全体も、ビールや焼酎の販売が減少するなか、2010年度は前年度比9.7%増加するなど好調だ。

 すっかり定着したボジョレー・ヌーボー解禁日だが、ヌーボー(新酒)は何もボジョレーに限ったことではない。実りの秋に注目したいのは“国産”だ。

 今月3・4日の東京・日比谷公園。秋晴れの空の下、ワイングラスを片手に、赤い顔をした老若男女の行列ができた。開かれていたのは、毎年11月第一土曜日に設定された山梨ヌーボー解禁を祝う「山梨ヌーボーまつり」。今年は質量ともに豊作と前評判が高かったこともあり、延べ1万5千人以上が参加。日比谷公園で開催されるこのイベントは、25年目を迎え、年々、参加者が増えている。地元山梨をはじめ大阪でも同様のイベントが開催されている。

 日比谷のイベントは、入場料2000円で、山梨県内のワイナリー36社の新酒を試飲・購入できるというもの。訪れてみると、行列ができるヌーボーとできないヌーボー、その差はくっきり。ヌーボーといえども味の違いは明確に出るらしい。「行列のできているワイナリーのヌーボーを飲むとやっぱり美味しい。結局、そこばかり飲みました。もちろん好みですけどね」と、参加した50代女性は語る。

 山梨以外でも、新潟(岩の原)や山形(蔵王)などで新酒が登場し、人気を博している。国産ヌーボーの実力と今後について、都内で複数のワインショップを経営し、ワインソムリエの資格を持つ白根智彦さんはこう語る。

「山梨ヌーボー祭りのように、美味しいワイナリーのワインに行列ができる。これはラーメン店と一緒です。とはいえ、新酒ですから、差はそれほど大きくないはずですが。

 ボジョレー・ヌーボー解禁は、1年に1度のお祭りで、うちの店でも、もちろん盛り上がります。ですが、最近は、国産もおすすめですね。どんどん質が上がっているし、“豆腐は旅をさせるな”と言いますが、ワインもそう。新酒は産地近くで飲むのが一番美味しい。ヌーボーが美味しいワイナリーは他のワインも美味しいですから、入り口にも最適なんです。国産ヌーボーの人気はもっと高まっていくのではないでしょうか」

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