その結果、有力馬は実績のある外国人騎手への乗り替わりが頻発。オルフェーヴルの主戦騎手である池添も、凱旋門賞への騎乗がかなわなかったことは記憶に新しい。
JRAがメリット制を導入したのは、規制を緩めて競争原理を働かせるためだといわれる。しかし、行き過ぎた規制緩和が格差を生むというのは、どの社会でも同じということか。
そして、こうした格差が強まれば、大レースへの同一厩舎多頭出しは珍しいことでなくなり、むしろ増加していくだろう。
前出の競馬記者はこの傾向を危惧する。
「海外では、有力馬を勝たせるために同一厩舎の多頭出しが行われることが多い。位置取りや展開などを有利に働かせることが可能ですからね。そういうレースは全体に冷めた見方をされて、馬券の売り上げも低調です。日本でどうなるかはまだ分かりませんが、200以上もの厩舎がある日本で、そこまで強い馬が集中するというのは、やはり好ましいことではないと思いますよ」
馬券を買う競馬ファンにとって、多頭出しは歓迎する状況ではないのかも知れない。