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日本で「稼げるスポーツ」「稼げないスポーツ」の違い もし子供にやらせるなら?
日本で「稼げるスポーツ」「稼げないスポーツ」の違い もし子供にやらせるなら?
 サッカーのリオネル・メッシ(アルゼンチン)、クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)、ネイマール(ブラジル)、バスケットボールのレブロン・ジェームズ(米国)、ステファン・カリー(米国)、ケビン・デュラント(米国)、テニスのロジャー・フェデラー(スイス)……。世界のトップに君臨するプロスポーツ選手たちは、いずれも日本円換算の総年収が100億円以上ととんでもない大金を稼いでいる。では、日本において最も稼げるスポーツは何なのか?【表】1位はメッシの1億3000万ドル!世界のアスリート長者番付・年収トップ10 そもそも、“稼げるスポーツ”と“稼げないスポーツ”の違いのカギを握るのが、競技そのものに魅力があって、“見るスポーツとしての市場”があるか否かだとスポーツマネジメント分野に詳しい、産業能率大学情報マネジメント学部兼任教員の須賀優樹さんは言う。「その魅力を測る目安が、地上波放送で1年に何回放送されたかのデータ。スポーツ白書によれば、NHK独占放送の大相撲以外だと、ゴルフ、サッカー、野球、競馬の放送が多く、テニス、フィギュアスケートが続きます。放送で注目度が上がり、企業からのスポンサー収入などでお金が集まる競技なら、プロスポーツとして成立しやすい。 プロとして生活できる市場規模として、年間最低でも数十億円単位は欲しいですが、日本の場合はプロバスケットのB1リーグで約100億円市場、プロサッカーのJ1で約800億円市場、プロ野球で約1500億円市場。なかでも野球は、引退後にコーチなどでベンチ入りの可能性もあり、安定して生涯稼げるスポーツといえるでしょう」(須賀さん・以下同)「プロ野球の推定年俸ランキング」で上位に入っていなくても、(チームで差はあれど)平均年俸3000万円程度で、10年プレーしたとして生涯収入3億円。このレベルを100人単位で稼げるスポーツはそうそうない。「個人競技では、シニアもあり選手生命が長いゴルフが挙げられます。逆に激しいコンタクトの多いスポーツは選手生命が短く、若いときに稼がないと生涯収入は上がらない。これ以外の陸上や水泳、マイナー競技でプロとしてやっていけるとしたら、どの大会でも優勝できる実力の持ち主で、個人にスポンサーがつき、グッズ販売で稼ぐなど、自分の商品価値を現金化する才覚がある選手でしょう」 ただし、クラブや企業チームに所属したり、昼間は仕事をする会社員であれば月給は出続け、安定的なスポーツ活動が可能だ。その一方、企業やクラブに所属せず労使関係がない個人競技者の場合、大会に出て賞金を稼ぐ単発的な活動になりやすい傾向がある。たとえば日本女子ゴルフの賞金ランキングを見ると、20代で2億円を稼ぐ選手が何人もいて一見華やかだが、その裏に個人競技ゆえの厳しさもあることを知っておきたい。 では、上記以外で「稼ぐこと」を眼目として、子供にやらせるとしたら──。「ほかには競馬のジョッキーが平均年収が高く、競技人生も長い。日本の騎手の生涯収入の高さは世界的に有名です。 そしてもう1つおすすめなのがクリケット。インドのプロリーグであるインディアンプレミアリーグの平均年俸は4億円、いちばん稼ぐ選手だと30億円。クリケットなら国内競技人口は2000人程度で、野球やサッカーに比べて圧倒的にライバルが少なく、日本でトップ選手になってインドに渡れば、ビッグマネーを稼げるかもしれません。 さらに今後はスケートボードや自転車などのXゲームや、ゲームで競うeスポーツもプロスポーツとして成り立っていく可能性があります」 夢を与えるスポーツは、時代とともに変わりゆくのだろう。取材・文/北武司※女性セブン2022年6月30日号
2022.06.25 07:15
マネーポストWEB
JRA重賞はGI26勝を含む129勝
蛯名正義氏が考える「返し馬と馬券検討」 記録に現われない記憶を積み重ねる大切さ
 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、返し馬と馬券検討についてお届けする。 * * * 前回、返し馬はジョッキーにとって大切な時間だということをお話ししました。テレビの競馬中継では、返し馬をじっくり放送することはないので、これを見られるのは競馬場へ行った人だけの特権です。実際に走る姿が見られるわけだから、間違いなく見たほうがいいと思います。馬券の発売締切まであまり時間がないけれど、いまはコース前にいながらネットで買うこともできますしね。 では、返し馬をどう見ればいいでしょうか。 競馬予想は過去の記録からその馬の傾向を読み取る一方、記録には現われない記憶が重視されるゲームのようなところがあります。なので、その馬の前走の返し馬の様子がどんな感じで、どんな結果だったかを比較していければ、こんなに頼りになるデータはない。大事なお金を賭けて馬券をずっと買い続けていくつもりなら、自分の印象というデータを積み重ねていくことは武器になるでしょう。「あれ、この前勝った時(負けた時)とは違うな」と気づけば、それは馬券検討の重要なファクターになるはずです。 もちろん競馬場にいてもすべての馬の返し馬を見ることはできない。それでもパドックで気になった馬や、ずっと追いかけている馬、もちろん個人的にファンだという馬なら見続けられるはず。競走馬についてはとにかく点ではなく線で見てみること。重賞クラスの馬だけでも見続けてみれば(何らかの形で記録しておけばなおさら)自分だけのデータベースになります。 僕らは勝つために自分が管理する馬を日々じっくり観察し、体調の推移について把握します。ファンはその結果をまずパドックや返し馬で見て、さらにレース結果を踏まえて馬のことを知ればいい。いろいろな厩舎の馬を知って比較することが、ギャンブルでの“勝利”につながるのではないでしょうか。 パドックではちょっと落ち着きがなかったけど、馬場に出たら堂々として、沈み込むようないいフォームで走り出したりするかもしれません。その馬はきっと狭苦しいパドックが好きじゃないのでしょう。ちらちら物見をしたり、尻っぱねをしたりというしぐさの一つ一つに意味がある。馬が何らかのメッセージを出しているということです。 返し馬に入ったところで放馬したり、制御不能で暴走したりすることがありますよね。馬は自分の背中に乗っているジョッキーが、自分より上なのか下なのか見極めることがある。暴走するのはジョッキーを舐めているともいえます。しっかり折り合いがつく馬は「このジョッキーには従わなくてはいけない!」と思っている。 リーディング上位の常連は馬を御する技術に長けていますが、単に上手い下手だけではなく、相性の良し悪しということもあります。それほど結果を出していなかったジョッキーが、それまで不振だった素質馬を従わせ「走るスイッチ」を押したりすることがあるのも競馬です。 ただし調教師になってしみじみ思うのは自分の厩舎の馬を見て「ああ、いい返し馬をしているなあ」と確信しても、なかなか結果にはつながらないものだなということです(泣)。【プロフィール】蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。※週刊ポスト2022年7月1日号
2022.06.25 07:00
週刊ポスト
美しさと強さを兼ね揃えたソダシ(騎乗は吉田隼。時事通信フォト)
ニューヨークタイムズで特集された純白の競走馬・ソダシ 「強い白毛馬」育てたオーナーの執念
「稀代の牝馬が輝きを見せた」──そんな見出しと共に、ゴール板の前を駆け抜ける純白の馬がカラー写真で大きく取り上げられた。これは日本のスポーツ紙の話ではない。全米発行部数で第3位の一般紙「ニューヨークタイムズ」が5月16日に、東京競馬場で行われたGIヴィクトリアマイルの勝ち馬ソダシを特集したのだ。米の一般紙が日本の、しかも1頭の馬を取り上げることは極めて異例だという。スポーツ紙記者が語る。「翌日の日本の一般紙はせいぜい競馬面で取り上げられたくらいでした。海外で日本馬が取り上げられるのは凱旋門賞などの世界的レースで触れられる程度で、日本のレースの勝利馬について、一般紙でこれだけの特集が組まれたというのは聞いたことがありません」 米一般紙でこれだけ大きく取り上げられた理由は「ピュアホワイト」と書かれたその毛色にある。白い馬は遺伝子の突然変異によって生まれ、その確率はニューヨークタイムズ紙でも「10万分の1」と書かれているほど稀な現象だ。しかし、見た目の美しさとは対照的に、個体としては日光に弱いことなどのマイナス要因も多く、競走能力がどうしても低くなってしまう傾向にあった。 白毛馬の偉業を讃えたニューヨークタイムズだが、ソダシの母や祖母には触れつつも、その勝利を支えたオーナーの詳細は書かれていない。白い馬が偶然勝った訳ではなく、勝てる馬を20年に渡って育てた、オーナーである金子真人氏の執念が結果を生んだのだ。「金子氏は三冠馬ディープインパクトを始め、所有した馬が史上最多の4度もダービーを制しているという輝かしい経歴を持ったオーナーです。牝馬三冠のアパパネなど数多くのGI馬を所有し、その仔たちも活躍しています」(前出・スポーツ紙記者) そんな金子氏が馬主として心血を注いだひとつが「強い白毛馬」だ。ソダシの祖母で白毛馬のシラユキヒメが中央競馬でデビューしたのは2001年2月。金子氏が所有していたこの馬は父親も母親も白毛ではなく、突然変異の白毛馬だった。シラユキヒメの父親は米・ケンタッキーダービーを勝つなどGIを6勝し、種牡馬として日本に輸入された1990年代に日本競馬を席巻したサンデーサイレンスであった。ディープインパクトの父親でもある。シラユキヒメは未勝利に終わったが、その「血」に活路を見いだした金子氏は、自身の所有する強い種牡馬とシラユキヒメを次々と掛け合わせ「白くて強い馬」への執念を見せた。偶然の産物である白毛を、母親として子供に受け継がせることで必然へ変えていったのだ。 想いが結実したのは6年後の2007年。芝、ダートでGIを勝ったクロフネと掛け合わせたシラユキヒメの仔ホワイトベッセルが中央競馬で「白毛馬」として初めて勝利する。クロフネも金子氏の所有馬だ。父サンデーサイレンスという血の背景からシラユキヒメは数々の強い白毛を生み出すこととなり、その1頭であるブチコがソダシを生んだ。 緑のターフを駆ける純白の馬は誰が見ても目を引く。勝てば話題になり、競馬が盛り上がる……そんな将来を見越していたかのように2020年のGI初勝利は欧米の競馬メディアに伝播し、GI3勝目の今回は一般紙まで動かした。「次は(8月21日の)札幌記念という選択肢になるのでは。秋は(11月20日の)マイルCSが目標になります」 金子氏はレース後のインタビューで、ソダシの次走についてそう話した。ニューヨークタイムズ紙では米ブリーダーズカップやフランスの凱旋門賞出走の名前を挙げ、海外デビューへの期待も滲ませている。まずは無事に歴史を繋いでいくことを願う。
2022.05.29 11:00
NEWSポストセブン
運だけでは勝てない日本のギャンブル プレイヤーにとって不利な控除率も
運だけでは勝てない日本のギャンブル プレイヤーにとって不利な控除率も
「金運」がよかったらなぁ……そんなことを常日頃から思っている人もいるかもしれない。たとえば、ギャンブルは金運の要素が顕著に影響すると考える人も多いだろう。では、ギャンブル運によし悪しはあるのだろうか? 科学的に検証してみよう。【一覧】宝くじ、競馬、オートレース…他、ギャンブルの控除率「たとえば、1024人でじゃんけんの勝ち抜き戦をすると、必ず誰かが10連勝し、誰かが10連敗します。その瞬間において運のよし悪しはあるでしょうが、その人たちがその後ずっと運がいいか悪いかは、正直なところ、誰にもわかりません。ただ、ランダムにグーチョキパーを出すなら、勝負前に10連勝する確率は、全員同じということだけは確かです」 そう語るのは、大阪商業大学学長の谷岡一郎さん(社会学者)。つまり“当たるまでの運”は、みな平等ということだ。では、公営競技(競馬、オートレース、競艇、競輪)は、運で勝てるものだろうか?「いずれの公営競技も、限られた情報を駆使して推理をするゲームですが、控除率があるため、どんなに研究をしても、『あの馬は昨日食べすぎて体が重い』などの内部情報をつかまない限り、運だけで勝つことは難しいでしょう」(谷岡さん・以下同) 賭けたお金は、どの程度当選者に配分されるのか。別掲グラフの「ギャンブル控除率」は、賭け事で胴元が得るテラ銭(手数料)の割合だ。これを見ると、宝くじは、なんと半分以上が胴元(国)に持っていかれている。「公営競技はトータリゼーターシステムといって、控除率分を天引きします。100万円の売り上げがあれば、25万円を抜き、75万円を当たった人たちに配分するという、国が損をしないシステムです。諸外国の競馬の控除率が10~15%ですから、日本の控除率は、プレーヤーにとって非常に率が悪いと思います」 そこへいくと、パチンコはとても率がいいように見えるが、みんながそんなに勝っているようにも思えない。「1玉の単価は4円ですが、換金率は店や地域で違いますし、1人が1日に何万発も打つため、正しい確率計算ができないのが実情です。3%は、控除率の予測値(平均値)でしかありません。言えるのは、一生勝ち続ける人はいないということ。レジャーにお金をかけるのと同様、ギャンブルも“楽しみ代”と割り切った方がいいでしょう」 ギャンブルをするうえでの御法度は、「負けを取り戻そうとする賭け方」だという。「海外のカジノでは、負けるたびに賭け金を倍にすれば1回の勝利で取り戻せる『マーチンゲール法』という考え方がありますが、これは、やり続ければいつか大負けします。こういうタイプはカジノ側にとっては“おいしいお客”です。逆の発想として、勝っているときはトライしていい。負けても惜しくないタイミングで勝負するのです。たとえば私は、100ドルが200ドルになったら、勝った半分(50ドル)をポケットにしまい、また200ドルになったら50ドルをしまうようにして、150ドルがなくなったらやめます」 パチンコや公営競技にも応用できる。予算を決め、負けてもつぎ込まないのが鉄則だ。「“負け方を知る”ことが重要です。たとえば、バブル崩壊で失敗した人の多くはエリート層でした。彼らは学歴や出世競争でも負けを知らなかった人たちですから、1000万円つぎ込んだ株が損を出しても『自分に限ってそんなはずはない』と、すべて失うまで投資を続けたのです。ギャンブルは、リスク計算と確率のゲームですから、投資する価値がないと思った時点で身を引くことが肝要です」 一方、ポーカーや麻雀、バックギャモンなどスキルを問われるゲームは、運ではなく、実力のある人が勝つという。ちなみに、ジャンボ宝くじについては、1等に当たる確率より、交通事故で死亡する確率の方が300倍以上高いという計算もある。「ほぼ当たらない」ものと心得て、束の間の夢を楽しむ娯楽の1つと考えるのがよさそうだ。【プロフィール】谷岡一郎さん/大阪商業大学学長。社会学者。アミューズメント産業研究所所長。著書に『悪魔の証明──なかったことを「なかった」と説明できるか』(ちくま新書)など。取材・文/佐藤有栄※女性セブン2022年5月5日号
2022.04.27 19:15
マネーポストWEB
盛岡市の盛岡競馬場でのクラスターカップに出場した、藤田菜七子騎手(2019年)
フィーバー生んだ藤田菜七子騎手、大スランプ 3月から「拠点変更」の狙い
 春のG1シーズン真っ只中。皐月賞、天皇賞、日本ダービーなどのビッグレースが6月26日の宝塚記念まで続き、競馬ファンにとって心躍る季節だ。そんな中、「競馬界のアイドル」として脚光を浴びていた藤田菜七子騎手(24歳)が試練を迎えている。  藤田は2016年のデビュー以来、毎年右肩上がりに勝ち星を重ね、2018年にはJRA女性最多勝利記録を更新。2019年にはJRA所属の女性騎手として史上初のJRA重賞制覇(GIII・カペラステークス)を果たすなど、華々しく活躍してきた。 そんな彼女だが、2019年の年間43勝をピークに、2020年35勝、昨年は14勝と勝ち星が減り続けている。今年に至っては、ここまで105回出走してわずか1勝しかしていない(4月15日時点)。スポーツ紙競馬担当記者が語る。「藤田の近年のスランプは、ケガの影響が大きいと思われます。2020年2月のレース中に落馬して左鎖骨を骨折し、この年は早々に復帰してそれなりに好成績を収めたのですが、昨年10月に再び同じ箇所を骨折してしまった。心身ともにダメージが大きかったようです。成績の下降と共にメディアの扱いも小さくなっていき、重賞レースに騎乗する機会も減ってしまった。ピークだった2019年には13回も重賞に出たのに、昨年はわずか3回、今年はまだゼロです。 2021年には古川奈穂(21)と永島まなみ(19)、今年3月には今村聖奈(18)がデビューを果たしたことで、JRA女性騎手はこの1年で計4人に増えた。それまで“JRA唯一の女性騎手”だった藤田の影が薄くなってしまったことは否めません」 苦境の藤田が選んだのは、“西”へと拠点を移すことだった。「3月に入り、デビュー以来所属してきた美浦トレセン(茨城)から栗東トレセン(滋賀)に拠点を移したんです。武者修行の意味合いもあるのでしょうけど、“関西とのコネクション”を築いてレース騎乗のチャンスを広げたいという狙いも大きいと思う。女性ジョッキーが増えたとはいえ、やはり藤田のスター性はピカイチですから、早くスランプを克服して、競馬界を盛り上げてほしいです」(前出・競馬担当記者) 環境を変えて心機一転、巻き返しを図れるか。
2022.04.17 11:00
NEWSポストセブン
JRA重賞はGI26勝を含む129勝
52歳の新人調教師・蛯名正義氏 自分の「前進」を実感した再スタート
 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、調教師デビューについてお届けする。 * * * 3月も半ばを過ぎました。蛯名正義厩舎の管理馬は、5頭出走しましたが、まだ一つも勝てていません(3月21日終了時点)。みな、いい競馬はしてくれているんですけどね。 角田大河くん、今村聖奈さんなどすでに初勝利をあげた新人もいますが、僕がジョッキーとして初めて勝ったのは14戦目、初騎乗から1か月以上たっていました。これが“マイペース”なのかもしれない(笑)。 一緒に試験勉強した仲間、村田一誠くん、嘉藤貴行くん、西田雄一郎くんは、すでに初勝利をあげましたが、焦りはありません。同期の勝利を素直に喜んでいます。《2022年3月12日阪神9日10Rレッドアルマーダ・7着》──JRAホームページの調教師名鑑に僕の「初出走」はこう記されました。 パドックに出ていく時、テレビカメラは僕をアップで撮っているんだろうなと思いましたが、初出走だという特別な意識はありませんでした。(ジョッキーの池添)謙一と、レース前にどういう話をしたらいいんだろう、こちらが考えていることを、押しつけではなく伝えなくてはと考えていました。厩舎としては点ではなく線として考えているので、今回勝てなくても次につながるような競馬をしてほしいわけで、そういうことの伝え方も考えますね。僕よりも謙一のほうが気にしているようでした。「蛯名さんの初出走だ」と思ってプレッシャーになっていたかもしれません。 レースは生き物だからその時の雰囲気とか流れによって判断しなければならない。僕がああしろこうしろとは言ってもその通りにはならない。その馬のクセとか特徴とかを伝えること。何より馬装がちゃんとしているかのチェック。これが調教師の仕事。あとはジョッキーの考えに任せます。技術調教師のときもパドックに出ていきましたし、「いい競馬をしてほしい」というのは同じですけれど、これからは、勝てば自分のところにお金が入ってくる(笑)。これは大きな違いです。 レースは割と冷静に見ていました。いろいろな調教師がいて、机を叩きながら大声でジョッキーの名前を叫んでいる先生もいます。その辺は、ファンと変わりませんね(笑)。僕はまだそれほどレースを使っていないので、これからどうなるか分からないですけれど。 レッドアルマーダはいいスタートを切って先行しましたが、直線でちょっと苦しくなった。でも一瞬差し返すような脚を見せて、頑張ってくれました。いい内容の競馬をしたなと思っています。 JRAのホームページではすでに「引退騎手名鑑」のほうに入ってしまいましたが、僕の新人ジョッキーとしての「初騎乗」は、《1987年3月1日2回中山2日5Rアイガーターフ(14着/15頭)》とあります。新人調教師として7着は悪くないでしょう。ジョッキーとして初めて掲示板に載ったのも9戦目でしたが、調教師としては4戦目(3月21日中山10レース)で2着、騎手の時とくらべて、少しですが前進しましたね(笑)。【プロフィール】蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。※週刊ポスト2022年4月8・15日号
2022.04.02 11:00
週刊ポスト
調教師に転身した蛯名正義・元騎手「厩舎の看板馬を紹介します」
調教師に転身した蛯名正義・元騎手「厩舎の看板馬を紹介します」
 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタート。先日、初出走を迎えた。週刊ポスト連載『エビショー厩舎』が話題の蛯名氏が、厩舎の看板馬を紹介する。 * * * 3月12日の阪神競馬場10レース飛鳥ステークスが蛯名正義厩舎の「初出走」でした。 レッドアルマーダはすでに6歳になりますが、まだキャリアは10戦。デビュー前に骨折するなど、けっして順調な道のりを歩んできた馬ではありません。 素質はあったのですが、体質が弱くて3歳のうちに勝つことができず、初勝利をあげたのは4歳5月の新潟。そこから3連勝するのですが、その後は休み休みでしか使う事ができませんでした。前走はおよそ1年ぶりの競馬でしたが、3着に頑張ってくれた。今回は一度使った上積みも見込んでいました。 スタートよく積極的に先行しましたが、直線で踏ん張り切れず7着。35年前、僕のジョッキーとしてのデビュー戦が15頭立ての14着でしたから、それに比べればよく頑張ってくれました(笑)。まずは無事に回ってきてくれてよかったと思います。 * 3月1日に開業して以来、厩舎にいる16頭だけでなく、外厩で英気を養っている管理馬の様子もチェック。どの馬も藤沢和雄厩舎を支えてきた素質馬ばかりなのでなかなか強者揃い。調教師を目指してから4年もお世話になり、藤沢先生からは「思ったほど早く試験に受からなかった」と言われてしまいましたが(笑)、その分1頭1頭の個性は把握してきたつもりです。 親分格はダービー馬レイデオロの全弟レイエンダでしょうか。4歳春にGIIIエプソムカップを勝って以来勝ち星がありませんが、前々走では勝ち馬から0.3秒と復活の兆しを見せてきました。厩舎では出入りする人間のことをよく見張っている感じ。気持ちが少し難しいけれど、おとなしい馬で、親分らしくどっしりとしています。今は障害練習をしています。 弟のソルドラードはお父さんがロードカナロア。6歳ですがまだ12戦しかおらず、連対率5割、複勝率7割5分と堅実。あまり丈夫ではないんですが、馬体が若いのでまだまだこれからの馬です。3月21日(月・祝)中山10レース韓国馬事会杯への出走を予定しています。 一番古いつきあいなのはゴーフォザサミットですねえ。2017年の2歳新馬戦に騎乗させてもらって、2戦目で勝ち上がりました。3歳春にはGII青葉賞を勝たせてくれてダービーも共に戦いました。僕にとっては最後のダービー、そして昨年2月28日のジョッキー引退の日、最後の重賞、中山記念も彼と一緒で4着に頑張ってくれました。さらに2月27日の中山記念では、藤沢先生の引退をも見送ってくれた馬です。いつも自分の力を出し切っていい競馬をしてくれています。騎乗したことがある馬を管理するというのは不思議な気持ちです。 6歳馬ランフォザローゼスは2018年の新馬戦を勝った後、1勝クラス、GIII京成杯、GII青葉賞と3回続けて2着。ダービーでもコンマ6秒差の7着と頑張りましたが、それ以来勝ち負けから遠ざかっていました。しかし、前走2月19日、GIIIダイヤモンドステークスで初めて3400mという距離の競馬で11番人気ながら、田中勝春騎手の好騎乗で2着。新たな可能性が見えてきました。次走は3月26日のGII日経賞を使う予定です。 カツハルは競馬学校の2年後輩で、父親同士が中学校の同級生という縁。ランフォザローゼス同様、まだまだ現役で頑張ってほしいと思います(笑)。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.19 07:00
週刊ポスト
2020年に調教師試験に合格した名手・蛯名正義氏
蛯名正義氏が厩舎開業 日本競馬2541勝騎手がゼロからのスタート
 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏による週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、3月1日という競馬界の新学期を迎え、自身の調教師スタートとこれからついてお届けする。 * * * 3月最初の土日開催では、新人ジョッキーがデビューし、新人調教師の開業厩舎からも何頭か出走があったはずです。しかし、この原稿をまとめている時点の予定では、僕の“調教師デビュー”は少し先になりそうです。 3歳以上の管理馬は藤沢和雄厩舎の素質溢れる馬32頭を「転厩」という形で引き継ぐことになりました。馬にしてみれば、蛯名正義厩舎の開業日がスタートではありません。彼らの競走馬人生はすでに始まっています。僕に課せられた使命は、これまで通りに接すること。それ以上でも以下でもありません。 馬主さんの意向もあり、すべての馬を引き継いだわけではありません。それでも重賞勝ちのあるレイエンダやゴーフォザサミットから、3歳で2勝しているレッドラディエンスやレッドモンレーヴ、バスマティまでとびきりの馬ばかりです。藤沢先生が長い間かけて築き上げてこられた信頼と実績の賜物です。 僕は新人調教師ということで16馬房からのスタート。通常は20馬房ですが、実績や経験を重ねたベテラン調教師になるとさらに増えていきます。現在では矢作芳人厩舎の30馬房が最高です。僕が研修をしていた藤沢和厩舎も28馬房ありました。馬房数が増えれば、その分スタッフの数も増えていきます。 もうすぐレースに出走する馬や、レースを終えたばかりの16頭が美浦トレーニング・センターの「蛯名正義厩舎」にいます。 6月以降にデビューする2歳馬については昨年からセレクトセールや日高のセリに出かけ、馬主さんの意向を受けて僕自身が落札した馬もいます。また馬主さんが欲しかったという馬も引き受けます。クラブからの依頼もあります。昨年の募集時には「新規開業厩舎」となっていたはずです。僕を信頼してくれて預けてくれるし、いい馬が多くて事務手続きなどもスムーズです。 でもあまり頼ってばかりいると、馬を見る目が鍛えられない。勉強しながら、こういう馬はこうだとか、こういう特徴がある馬はこうだとか把握して、馬選びに関与していきたいですね。自分の色を出していくとしたら、自分で選んだり判断したりしたこれらの2歳馬からになるでしょう。 昨年末に開業した村田一誠くんに続き、3月1日には一緒に調教師試験の勉強をした西田雄一郎くんや嘉藤貴行くんが一緒に開業しました。西田くんは若くして調教師になるケースが多い中、僕と5つしか年が違わない「年配者」です(笑)。また嘉藤くんは少し若いけれど田中清隆厩舎の所属だったので、デビュー当時からよく知っています。また堀内岳志さんは、二ノ宮厩舎の持ち乗り助手だったので、ナカヤマフェスタで一緒にフランスの凱旋門賞へ行った仲間でした。みなライバルには違いありませんが、かけがえのない同期。一緒に切磋琢磨していければいいと思っています。【プロフィール】蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。※週刊ポスト2022年3月18・25日号
2022.03.11 16:00
週刊ポスト
藤沢和雄調教師(右)とともにパドックで出走馬の状態を見つめる蛯名正義氏
蛯名正義氏 引退する田中清隆調教師、藤沢和雄調教師らへの感謝
 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートする。蛯名氏による週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、今回は田中清隆氏や藤沢和雄氏ら引退される調教師の方々との思い出についてお届けする。 * * * 僕は現役時代にJRAで2万1183回騎乗しました。そのうち1091回騎乗して158勝と、騎乗数も勝利数も一番多かったのが田中清隆厩舎の馬です。 そのキヨタカ先生が、この2月いっぱいで定年退職されます。 僕が初めて田中厩舎の馬に乗ったのは1993年7月。開業して間もない厩舎で、とても活気があって、よく勝っているなあという印象。1995年にはリーディング8位になっています。 初めて勝ったのは1994年の秋、ホッカイルソーの新馬戦でした。この馬にはその後もずっと乗せてもらってオープン特別を2勝、弥生賞でも2着に入り(勝ったのは僕がデビュー戦で騎乗したフジキセキです)、皐月賞、ダービーにも連れて行ってくれた。秋には菊花賞で3着に頑張ったし、古馬になってからは日経賞を勝たせてもらいました。 その他にもレディパステル、ホエールキャプチャなど重賞を7つも勝たせてもらいました。キヨタカ厩舎のチームワークのよさは、蛯名厩舎でもお手本にしたいと思います。 そして、今年の引退といえば、やはり藤沢和雄先生。あえて僕が説明するまでもなく日本競馬界の宝です。リーディングトレーナーになること14回、JRAのGIを34勝など重賞126勝。通算1563勝(2月6日終了時点)は今の厩舎システムになってからはもちろん歴代最多です。 初めて美浦トレセンでお会いしたときのことは鮮明に覚えています。僕はまだ減量騎手でしたが、3頭ぐらい馬を連ねて馬場に入る時に声をかけていただきました。おお、この人なんか違うなと思いましたね、子供ながらに(笑)。全身からオーラが出ているようで、誰かに見られているなって振り返ると、そこにいらっしゃったなんてことはよくありました。 1996年にバブルガムフェローで初めてGIを勝たせてもらいました。昨年はエフフォーリアが天皇賞(秋)を勝って年度代表馬にもなりましたが、25年前には3歳馬が出走するなんて考えられないことでした。旧来の常識にとらわれず、新しいことをやっていくのは大変なことだと思いますが、それをやってのけるだけの信念とバイタリティがあり、常に日本競馬をリードされていました。 調教師を目指してからのお付き合いはとくに濃密でした。僕自身は新たな気持ちで勉強したいと思いましたが、教える側に気を使わせてしまうのではないかと思っていました。自分でいうのは何ですが、騎手として実績をあげていたし、年齢も50近くになっているので扱いにくいでしょう(笑)。そんな時藤沢先生が「うちに勉強に来たらいいじゃないか」とおっしゃってくださった。「こいつ、行き場がないんだろうな」と、僕の立場をわかってくれたんです。この間教わったことは、とてもとてもここでは書ききれません。 今回引退されるのは、他に古賀史生先生、高橋祥泰先生、堀井雅広先生、柄崎孝先生、そして関西の浅見秀一先生。みな僕がジョッキーになった前後の開業で深いお付き合いがあり、計278勝もさせていただきました。少しおこがましい言い方ですが、競馬界を一緒に盛り上げてきたという仲間意識があります。とにかく感謝の気持ちでいっぱいです。【プロフィール】蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートする予定。※週刊ポスト2022年3月4日号
2022.02.26 16:00
週刊ポスト
「国民的グラドルコンテスト」のグランプリを制した蒼野杏
国民的グラドルコンテストGP・蒼野杏 「SNS時代の新女王」が初お披露目
 2021年11月19日から2022年1月16日までの約2か月間にわたって行なわれた「国民的グラドルコンテスト」のグランプリが決定した。この戦いを制したのは蒼野杏(あおの・あん)。アイドルグループ「sherbetNEO」所属の彼女は、YouTubeやTikTokの視聴数や「いいね!」、コメント数が採点基準となる激戦を勝ち抜いた。「グランプリの結果を聞いて思わず『ホントに!?』って思いました。みなさん、応援ありがとうございました」 と語る蒼野。SNS時代の新女王をご覧あれ。【プロフィール】蒼野杏(あおの・あん)/1998年7月28日生まれ、神奈川県出身。身長:165cm、B89(Hカップ)・W59・H88。アイドルグループ「sherbetNEO」所属。趣味は激辛フードを食べること、漫画を読むこと、貯金、競馬。特技はダンス、バスケットボール。デジタル写真集『国民的グラドル宣言』が2月18日に発売予定。※週刊ポスト2022年2月18・25日号
2022.02.13 16:00
週刊ポスト
佐々木世麗騎手の移籍の秘密とは
兵庫競馬のアイドルジョッキー佐々木世麗 異例の移籍の真相を聞く
 2月7日、地方競馬の兵庫競馬のアイドルジョッキー・佐々木世麗(せれい)騎手(19)が新子雅司厩舎(園田)から中塚猛厩舎(園田)に移籍したことが発表された。異例とも言える移籍の背景に何があったのか、所属変更を発表した兵庫県競馬組合に聞いた。 佐々木騎手は昨年4月に兵庫競馬初の女性騎手としてデビュー。デビュー2日目のメインレースで逃げ切って初優勝を飾ると、その年は兵庫県の新人騎手としては最多の87勝をマーク。これまでの新人最多勝記録だった44勝を大幅に更新した。この成績は、地方競馬の女性騎手新人最多記録(66勝)も抜き、地方競馬の「NARグランプリ2021」で優秀女性騎手賞を受賞した。 順風満帆に見えたが、今年に入って1月4日に園田競馬で騎乗したあと、体調不良のため休養。それから1か月が過ぎ、いきなり今回の所属厩舎の変更が発表されたのだ。「新人騎手の厩舎変更など前例がない」(スポーツ紙担当記者)ということもあり、関係者の注目を集めている。「競馬界は男社会で、過去に何度も女性関係者へのセクハラが問題になったことがある。岐阜の笠松競馬場では昨年、女性厩務(きゅうむ)員らへのセクハラが発覚した男性調教師が処分を受けている。中央競馬では調教師から騎手へのパワハラが裁判沙汰にもなった。佐々木騎手は休養して広島の実家に戻っていたとされるが、厩舎と何かトラブルがあったのではないかと心配されていた」(同前) 佐々木騎手の人気は高く、追っかけもいるほどだ。騎乗すれば当然、馬券が売れる。「どのような理由であれ、主催者側としては佐々木騎手には早く休養から復帰して、騎乗を続けてほしい。そうしたなかで、所属厩舎移籍という発表がなされた」(前出・担当記者)というわけである。 兵庫県競馬組合に佐々木騎手の厩舎移籍の理由を確認したところ、こう答えた。「理由は聞けていないが、厩舎の移籍は年間2~3ケースあります。人間関係の小さなトラブルもあれば、騎乗機会を求めて移籍することもある。今回はセクハラ、パワハラというものではなく、体調不良だったようです。心機一転、頑張りたいということでした」 厩舎の調教師らと騎手の関係は、一筋縄ではいかないところがある。ある調教師はこう話す。「佐々木騎手が所属していた新子厩舎は優秀でここ7年で6度の年間リーディングトレーナー賞に輝いており、その実績に裏打ちされた調教師の騎手への指導も厳しい。勝ったレースでもコース取りを指導されることも少なくない。この世界は勝てる調教師のもとにいい馬が集まる。いい馬に乗せてもらうので騎手も勝てる。佐々木騎手の新人記録も実績ある厩舎に所属していてこその部分があるのは間違いありません。このご時世、厳しい指導を若手がどう受け止めるかという問題は難しいですが、新子厩舎を離れて、佐々木騎手がどれだけ実績を残せるかは未知数でしょう」 昨年の兵庫県競馬組合のリーディングトレーナー1位は新子雅司調教師(103勝、勝率28.1%、連対率43.7%)で、移籍した中塚猛調教師は36位(25勝、勝率8.2%、連対率16.3%)。2年目のジンクスを突破できるのか。復帰時期は発表されていないが、佐々木騎手の真価が問われる1年となりそうだ。
2022.02.11 11:00
NEWSポストセブン
JRA重賞はGI26勝を含む129勝
蛯名正義氏 乗った瞬間「これは走るな!」と実感した名馬を振り返る
 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートする。蛯名氏による週刊ポスト連載『エビジョー厩舎』から、フェノーメノ、イスラボニータら、乗ってわかる「いい馬」についてお届けする。 * * * フェノーメノ、イスラボニータはどちらも社台グループの一口クラブの所属馬でGIを勝ってくれました。クラブのパーティーなどで会員さんとお話しする機会があった頃、どんな馬を選べばいいのか訊かれることがありましたが、見て「いい馬」はいっぱいいます(笑)。 特に社台グループの馬は血統も一流で、見栄えも顔つきもいい。でも募集の時期には、どの馬もまだ人を乗せたことがないわけです。乗ったら「ああ走りそうだな」と感じることがあるんですけど、「いい走りを見せて競馬でいい成績をあげるのがいい馬です」。これぐらいしか言えなくてすみません(笑)。 ステイゴールド産駒のフェノーメノにはダービートライアルの青葉賞から乗るようになりました。初めて乗った時、キレるというより、長くいい脚を使うタイプだと感じました。 青葉賞は2着に2馬身半差をつける強い競馬でダービーに向かいました。勝ったことがなかったので(笑)、自信があるかと訊かれると困ったのですが、いい競馬をするとは思っていました。青葉賞より時計を2秒近く詰めましたがハナ差2着。勝ったのは青葉賞の前までこの馬に乗っていた岩田康誠騎手のディープブリランテでした。 秋はセントライト記念を勝ちますが、菊花賞ではなく天皇賞(秋)に向かってこれもエイシンフラッシュの2着。古馬相手なので立派な成績ですが、いまでも菊花賞に行ったら勝ったんじゃないかなあと思うことがあります。あくまで結果論ですけど、4歳、5歳と天皇賞(春)を連覇するわけですから(笑)。 折り合いも難しくなくて、ゆったり自分のリズムで走れる馬なので、とても組み立てやすかった。 僕はどちらかと言えば長い距離の方が好きです。自分の中でいろいろ考えながら、いかにスタミナを残して走り切るかを考えて乗ることができる。相手の流れやペースを見て自分から動くこともできるし、前半で位置取りなどを失敗しても挽回できる。自分では自覚していませんでしたが、トータルでも長い距離の方が結果を出しているみたいです。その割には長距離の騎乗依頼が少ないなと思いましたけど(笑)。 フジキセキ産駒のイスラボニータにはデビュー戦から乗りました。乗った瞬間の印象は強烈で「ああ、これは走るな!」。 5月21日と遅生まれなんですが、その世代の新馬戦の最初の週、2歳の6月2日にデビュー、スタートで出遅れたのに楽勝でした。栗田博憲先生も「これは走る」というのでいったん休養して新潟2歳ステークスを使って2着。その後は先生が考えて距離を延ばしていくために、1800mのレースを使いました。 敏感な馬で、もともとは気のいいタイプだったから、いかに道中脚を溜められるかを考えました。先生をはじめ、厩舎スタッフと牧場のスタッフとみんなでいつも話し合いながらつくって、皐月賞を勝つことができた。この2頭は調教から乗ることで特徴を掴めました。 やはり見ただけでは分からない。調教師としても管理することが決まる前に乗せてくれれば、絶対走る馬を選べるんですけどね(笑)。【プロフィール】蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。今年2月で騎手を引退、来年3月に52歳の新人調教師として再スタートする予定。※週刊ポスト2022年2月11日号
2022.02.04 16:00
週刊ポスト
1998年のジャパンカップ。エルコンドルパサーは日本調教馬として初めて3歳(旧4歳)で勝った(写真/JRA)
蛯名正義氏が語る エルコンドルパサーと凱旋門賞を目指した忘れ得ぬ日々
 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートする。蛯名氏による週刊ポスト連載『エビジョー厩舎』から、エルコンドルパサーとの海外競馬の日々についてお届けする。 * * * 海外で競馬をしたいという思いは騎手になりたいと思った時からずっとありました。競馬オタクだった中学生の頃にジャパンカップが始まり、競馬学校時代には海外競馬もよく見ました。 海外遠征は香港が最初です。1994年から1995年にかけて、森秀行先生のフジヤマケンザンという馬です。香港ではいまでこそ国際レースが多くなりましたが、その頃はあまり行く馬もいなかったし、競走体系も確立されていませんでした。 1995年12月、当時まだGIIだった香港国際カップ。それまで香港で2回失敗していて普通ならクビなのですが、それでもチャンスをいただいたので、自分の中で期するものがありました。日本馬が海外の重賞を勝ったのは、これが史上初めてのことでした。 エルコンドルパサーはデビューから1998年のGINHKマイルカップまで5連勝。NHKマイルカップでは僕もトキオパーフェクトという4連勝の馬で臨みましたが、距離が持たなくてこっぴどくやられました(笑)。 秋以降は僕が乗るようになったのですが、当初は他のジョッキーが何人か候補にあがっていたそうです。 ところが僕が夏競馬でエルコンドルパサーと同じオーナーのオフサイドトラップで重賞を連勝していた。そんなこともあってオーナーが僕に乗ってほしいと言ってくださったようです。 毎日王冠ではサイレンススズカの2着でしたが、次のジャパンカップでは、スペシャルウィークやエアグルーヴを相手に勝つことができました。日本で調教された3歳馬(旧4歳)がJCを勝ったのはこれが初めて。僕にとっては2つ目のGIタイトルです。 エルコンドルパサーは4歳になった1999年、拠点をフランスに置いて10月の凱旋門賞を目指すことになりました。 凱旋門賞の前に重賞を3回使って2勝2着1回。僕はレースばかりか、調教だけのためにフランスに行って、週末に帰ってきて日本の競馬に乗ったりしました。2泊4日なんてこともありましたが、若かったんでしょうね(笑)、体力的にはまったく平気でした。ワクワクドキドキとかいうのはなくて、日本とフランスを何度も行き来して、すっげージョッキーになったなあってなんだか他人事みたいでした(笑)。凱旋門賞では残念な2着でしたが、とにかく濃密な1年でしたね。 その後2000年は5か月間アメリカの東海岸に腰を落ち着けて、新人のつもりで競馬に取り組みましたし、マンハッタンカフェ(2002年)やナカヤマフェスタ(2010、2011年)で凱旋門賞にも出走することができました。2010年の凱旋門賞では、武豊騎手もヴィクトワールピサで参戦。世界最高峰と言われるレースに競馬学校の同期生が揃って騎乗。勝つことはできませんでしたが、とにかくいい経験をさせていただきました。 ただ、近年多くの日本馬が出かけて行くドバイは依頼がなかった(笑)。現地での調整が難しいと聞きますが、調教師になってからはぜひ行きたいですね。【プロフィール】蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。今年2月で騎手を引退、来年3月に52歳の新人調教師として再スタートする予定。※週刊ポスト2022年1月14・21日号
2022.01.07 16:00
週刊ポスト
ラスールは藤沢厩舎の所属
シンザン記念はなぜ「出世レース」になったのか
 競馬の世界も調教技術をはじめさまざまなイノベーションが起こっている。結果、ひと昔前の「常識」が通用しなくなることも少なくない。競馬ライターの東田和美氏がシンザン記念について分析した。 * * * 明け3歳馬によるマイル戦だが、早々と勝ち上がって前年暮れの2歳GⅠに出走した有力馬は自重することが多く、新馬・未勝利を勝ち上がったばかりの馬も出走してくる。ここで好走しても同世代でのポジションを把握しにくいが、オルフェーヴルやジェンティルドンナ、アーモンドアイなどがここをステップに大きく羽ばたいた“出世レース”でもある。 過去10年の出走馬137頭のうち、ここでの勝ち負けに関係なく26頭がその後重賞勝ち、11頭がGIを計33勝している。 上記活躍馬以外でもミッキーアイルが勝った2014年のレースで5着に敗れているのがモーリスだったり、2016年には古馬になってから天皇賞(春)を勝つレインボーラインが6着に、スプリントGⅠを連覇するファインニードルが10着に敗れたりしている。 出世頭3頭もマイラーにはなっていないように、ここは1600mのレースとは考えないほうがいいのだろう。ある調教師がこんなことを言っていた。「12月の2歳GⅠを勝つと最優秀2歳牡馬(牝馬)に選ばれる可能性が高くなる。すべての2歳馬がここを目指すわけではないので、早くから使えて勝ち上がった体質のしっかりした馬なら勝ち負けになる。本当は一息入れたほうがいいのに、この相手ならと意気込んでしまう。能力が抜けていればなんてことはないけれど、ここで無理をしたことが、その後の調整に微妙な影響をおよぼすことがある」 その点シンザン記念は正月明けということで、有力厩舎では秋から続くGⅠ連戦からも解放されているし、もし仕上がりに不安があるようなら、ここを回避して次のレースへ向かえばいいので余裕ができる。2歳GⅠにこだわることなく、先々を見据えてレースを選択することが奏功してきているのだという。 ラスールはデビュー前から評判が高く、関係者が阪神ジュベナイルフィリーズの有力馬にもあげていたほど。10月10日の新馬戦以来の出走になったのは、スタッフが「気持ちの強いところはありましたので、その点はこちらが急かすことなく」(シルク・ホースクラブのHPより)接してきたから。新馬戦は3,4着馬が次戦で勝ち上がったように、決してレベルの低いレースではなかったが、2着に3馬身半差をつける圧勝。その後はすぐにノーザンファーム天栄に放牧に出されて調整された後、12月8日(水)に帰厩している。 牡馬ではイクイノックスがクラシック候補にあげられている新種牡馬キタサンブラック産駒。しかしこの馬はむしろ「サマーハの産駒」というべきだという。ここは通過点、ダートを主戦場にする同厩の兄・シハーブとともに、志半ばで旅立ったシャケトラの戦績をさらに輝かしいものにする。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2022.01.07 16:00
NEWSポストセブン
中山競馬場の4コーナー
ホープフルSは今年ブレイクした3年目の若手ジョッキー2人に期待
 いよいよ2021年の掉尾を飾るGI、競馬ライターの東田和美氏が考察した。 * * * 1番人気が5連勝中。今年も新馬・重賞と2戦2勝、ノーザンファーム生産のディープインパクト産駒、国枝厩舎でC・ルメール騎乗と何拍子もそろったコマンドラインが人気の中心。能力の違いを見せつけるかもしれないが死角を探してみる。 6月の新馬戦が始まった初日に1600mでデビュー勝ち。2戦目のサウジアラビアロイヤルカップ(1600m)を勝った後は、朝日杯フューチュリティ―Sへ出走することも検討していた。陣営ではマイラーという見方をしていたのではないだろうか。 このレース(2013年以前はラジオNIKKEI杯)の勝ち馬で前走マイル戦だったのは2007年に朝日杯フューチュリティステークスから中1週で参戦したサブジェクトが最後だが、この馬もデビュー戦は1800m。1800m以上が未経験で勝った馬となると、2001年のメガスターダムまで遡らなければならない。この間1600mでデビューした5頭と前走1600mだった2頭が1番人気で敗れている。2歳馬にとってメンバーが揃ったレースでの400m距離延長はプラスとは言えない。 2戦2勝ながらルメールに見放された形のもう1頭のノーザンファーム生産のディープインパクト産駒ジャスティンパレスは。C・デムーロを確保したが小頭数レースしか経験していない。能力が抜けていればなんて言うことはないが、前走勝ちはしたものの、2番手、楽な手ごたえで直線に入りながら、前の馬をかわすのにやや手間取った印象だ。 2000mを2戦2勝のオニャンコポン。ユニークな馬名で話題先行というイメージがあるが、レースぶりはなかなか大人びている。3年目の菅原明良騎手は今年トップ10に入ろうかという勢い、重賞騎乗は20回のみだが東京新聞のカラテで初勝利を手にしている。10月30日の新潟では1日6勝という固め打ちをやってのけた。この日前半のレースで結果を出せば、GⅠでも思いきった騎乗が見られそうだ。 サトノヘリオスは新馬戦で1番人気に推されながら4着に敗れたが、このレースは“伝説の新馬戦“と呼ばれるようになるかもしれない。勝ったのが次走で東スポ杯を勝った評判のイクイノックス、3着はアルテミスSと阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったサークルオブライフなのだから。サトノヘリオスも2戦目で勝ち上がり、12月11日の出世レースエリカ賞を勝った。 父エピファネイア、母の父サンデーサイレンスで、つまりはサンデーサイレンスの4×2。エピファネイアやモーリスが種牡馬になったことで、4×3はよく見られるようになったが、あえて血量31.25%の可能性を追求した意欲を買いたい。 鞍上は3年目の今年すでに87勝とリーディングトップ10入りを確実にしている岩田望来騎手。勝利数では同期の菅原明騎手をリードしているが、こと重賞に限っては88回騎乗して未勝利。2着6回3着4回でGⅠでは馬券にからんだことがない。しかしいかにも初重賞が初GⅠという怪挙をやってのけそうな「血統」だ。 ボーンディスウェイはすでにキャリア4戦。デビュー戦からずっと多頭数でもまれてきた。中山の2000mを2回経験しているのも強みだ。石橋騎手はすでにベテランといってもいいが、2017年阪神JFのラッキーライラック以来GⅠ勝ちがない。ここで若手にあっさりGⅠ勝ちを譲るようだと、今後の騎乗依頼にも影響しそうで踏ん張りどころだ。 1勝馬では葉牡丹賞でボーンディスウェイの3着だったグランドライン。デビューからずっと騎乗している三浦騎手も気がつけばもう14年目。再三言われることだがいまだにGⅠ勝利がなく今回が101回目の挑戦。ある意味で正念場だ。 皐月賞につながると言われているが、今年に限っては直結しないレースのような気がする。来年のさらなる飛躍を願って菅原明オニャンコポンと、岩田望サトノヘリオスの馬連とワイド、さらに3連単2頭軸マルチを買う。相手はコマンドライン、ジャスティンパレス、ボーンディウェイ、グランドライン、5年目の若手リーダー横山武のキラーアビリティまでの30点でどうだろう。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。 
2021.12.27 19:00
NEWSポストセブン

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