芸能

アイドル黄金期 松田聖子はライバルを意識して自らを高めた

 1980年代に華々しいデビューを飾り、アイドル黄金期を築いた代表格といえば、松田聖子(51)と中森明菜(48)の名が真っ先に出てくるだろう。ノンフィクションライター・安田浩一氏が、2人の「肖像」を綴る。

 * * *
 聖子は過剰なまでにライバルと目されていた明菜を意識していた。当時、CBSソニーのプロデューサーとして聖子を担当した酒井政利が話す。

「宣伝担当の若手社員から『聖子が明菜さんを意識し過ぎて困っている』と相談を受けたことがあった。レコードの売り上げから、出演番組まで、明菜のことであれば、聖子は何でも知りたがったのです」

 一方、自我にこだわる明菜は、まるで聖子を意識していなかった。明菜のマネージャーを務めた名幸(なこう)房則が振り返る。

「明菜は普段から聖子さんの歌を好んで口ずさんでいました。もともと聖子さんのファンでもありましたし、ライバルといった意識を持ったことはなかったと思う」

 事件が起きたのはTBSの歌番組「ザ・ベストテン」に明菜と聖子が初めて揃って出場したときのことだった。

 司会の黒柳徹子が、二人に対してそれぞれ「お互いをどう思っているのか」と質問した。即座に「ライバルです」と答えたのが聖子だった。一方、明菜はちょっと考え込んだ表情を見せた後、さらっと「別に……」とだけ口にしたのである。

「スタジオ脇で見学していた私はその瞬間、あちゃ~と頭を抱えてしまいましたよ。先輩を前にしてなんてことを言ってくれたんだと。でも、明菜からすればまったく悪気はないんです。

 ライバルだと意識していないと伝えたいのに、言葉足らずなものだから、ぞんざいな言い方になってしまうんです」(名幸)

 しかし、聖子はこうしたライバルを過剰なまでに意識することで自らを高めていったのだった。

(文中敬称略)

※週刊ポスト2014年1月17日号

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン