しかし、マックで見せた原田氏の経営手腕がベネッセでそのまま通用するかは未知数だ。経済ジャーナリストの中村芳平氏は厳しい見方をする。
「原田さんは効率性を最優先する合理主義者のため、ベネッセでもスクラップ&ビルドを繰り返せばそれなりの数字は上げられると思います。アップルやマックで培った海外ビジネスの手法も生かせるはずですしね。
でも、教育や介護といった業界は必ずしも損得勘定だけで成功できるほど甘くありません。より現場に踏み込んだマーケティング、長期的に人を大事にする経営ができなければ、単なる“壊し屋”で終わってしまうでしょう」
マックでは結果的に晩節を汚すことになってしまった原田氏。真価が問われる次なるステージで、どこまでプロ経営者としての矜持を保つことができるか。