しかし、見方を変えれば、新興国に流入していたマネーが米国に回帰することで、むしろ米国株にとってはプラスに働くと考えられる。何よりQE3の縮小が始まったとはいえ、各種指標は“まだら模様”であるため、金融緩和はある程度続けざるを得ない状況にある。これも米国株にとってはプラス材料だ。
当然、景気が回復軌道に乗れば株価は上昇するし、QE3が続く限りは株価を下支えする構図に変わりはなく、どちらに転んでも当面は米国株に大きく下がる要因は見当たらない。
そして、それは特に日本の投資家にとって大きなチャンスとなるに違いない。米国の金利がQE3縮小に伴って上がる反面、日本は異次元金融緩和によって超低金利の状態がまだまだ続く。日米の実質金利差とドル円相場は連動性が高く、今後日米の金利差が拡大することで、さらなる円安が進む可能性は高い。そうなれば年内には1ドル=110円台、米国景気が本格回復するようなら120円台まで行ってもおかしくない。
そう考えていくと、円安に大きく振れる前に米国株に投資しておけば、株価上昇に加えて、為替差益もダブルで享受できる可能性も高まる。まさにいまが米国株投資の絶好機といえるのではないだろうか。
※マネーポスト2014年春号