大きな絵柄を入れ墨で完成させるには時間もお金もかかる。大きさや絵柄にもよるが、100万単位のお金を費やすことも。車も買わず、贅沢もせずに稼ぎをつぎ込んでも資金が続かず、筋彫り(輪郭)だけで絵柄が止まり、途中でやめた塗り絵のようになっている人も珍しくない。
音楽イベントなどで入れ墨を入れた若者たちとの付き合いが多いカメラマンは、彼らがあまりに無防備であることが気がかりだという。
「統計をとったわけじゃないけれど、入れ墨をしている若い子たちに肝炎が増えていますよ。スミを入れたい若い人が増えたのにあわせて彫師も増えたけれど、なかには未成年でも平気で受け入れる、商売しか考えてない人もいる。消毒が不十分な器具を使っているところもあるから、そこから病気が広まっているんだと思う。よく理解できていない子どもからお金とって、病気までうつすようなところはどうにかしてほしい」
入れ墨を受け入れるか否かの論争とは別に、衛生面での指導が必要な時代になってきているのかもしれない。