圧倒的な文字量であることも特徴です。しかも、フォントも小さめなんです。ただ、ヘビィメタルに絞って、これだけの情報量を提供しているのですから、ファンにとっては買ってでも欲しくなるわけです。
このように、妥協なき編集方針、雑誌のバリュー、カラーがはっきりしていること、ネット上にあまり転がっていない情報を発信し続けているということが人気の秘密でしょう。雑誌の部数のピークは90年代半ばだったと言われています。その後、音楽シーンの変化や、出版不況などで部数は全盛期よりは落ちていると言われていますが、それでも雑誌は支持され、続いています。
その創刊30周年記念超特大号は、やはり買ってでも欲しくなる豪華版でした。創刊から30年間、その年に何があったのか。その年の来日公演、話題のアルバム、事件などが、わかりやすくまとまっています。もちろん、過去記事の使い回しという批判もあることでしょう。ちょっと待ってください。この号までの440号の中から記事を探すだけでも大変です。DTPの時代ではなかったこともあり、それを再編集するのも手間暇かかります。ヘヴィメタルの歴史を振り返る上でも貴重な資料だと言えるでしょう。
お金を払ってでも欲しいコンテンツをつくる、メディアに熱がある。出版不況と言われる時代に、長く売れ続けるコンテンツの秘密は意外にシンプルです。でも、これが難しい。それを続けた編集部の皆さんは凄い。30周年、おめでとうございます!