国内

北海道祖母・母惨殺 娘は祖母に『おしん』的仕打ち受けた

 自然が豊富で、のどかな雰囲気が漂う北海道南幌(なんぽろ)町で10月1日に起こった事件は衝撃的なものだった。

 1階の寝室に母親(享年47)が、2階の寝室に母方の祖母(享年71)が、寝間着姿のまま絶命していたのだ。母親は喉仏から頸動脈まで切り裂かれ、祖母は頭と胸を中心に7か所刺されており、部屋中が血の海と化していた。

 警察に事情聴取を受けているA子(17才)はその家の三女。そのA子を取り巻く環境は地獄そのものだったという。祖母からの仕打ちは相当厳しかったようだ。

「“誰のおかげで飯が食えてるんだ!”って、家のことを全てA子ちゃんに押しつけ始めたんです。小学校の時から家中の掃除やゴミ出しだけでなく、冬になると、彼女は早朝5時から極寒の中、1人で雪かきさせられていました。

 このあたりは積雪は1mを超えるんですが、それでも、家の前の雪を全てきれいにしないと、おばあさんは杖でガンガンA子ちゃんを叩き、怒鳴りちらすんです。ある時、私が心配して声をかけたら“ありがとうございます。大丈夫です”って…。

 けなげに家の仕事をするA子ちゃんの姿は、かつて大ヒットしたNHK朝ドラ『おしん』そのものでした」(A子の知人)

 祖母は、家の仕事を優先させるためA子に友人と遊ぶことさえ許さなかったのだ。

 夕方5時までに必ず帰宅させ、庭の草むしりや植木の手入れを毎日やらせ、洗濯や犬の散歩も彼女に強制した。

「ちょっとでも遅れると、おばあさんは怒鳴って叩きますからね。一度、遅刻した罰で叩かれて骨折して、入院したこともありますよ。こういう暴力は、A子ちゃんが高校に入った後もずっと続いていて、最近も、5時直前に慌てて帰宅するのを何度も見ています」(近隣住人)

 また、報道では、A子が暮らしていたのは、自宅の“離れ”とされているが、その表現は現実と乖離している。

「A子ちゃんが暮らしていたのは、物置小屋です。4畳ほどの所に、家の荷物が置かれて、わずかなスペースに机だけが置いてあるんですから。彼女は出入りも玄関からではなくて、車庫の裏にある潜り戸を通って裏庭に出て、そこから物置部屋に入っていました」(前出・近隣住人)

“しつけ”と呼ぶにはあまりに過酷なA子の生活の中で、救いとなるべき存在は、母だったはずだ。しかし、母もまた祖母の支配下にあった。

「おばあさんは、母親にもきつく当たっていたんです。“お前の教育が悪いから、この娘はこんなにグズなんだよ!”って。実の娘でさえも、容赦なく杖で叩いていたそうです。子供の学費や生活費など、ほとんどあの人のお金でやりくりしていたので、母親も何も言えなかったそうです。

 そのうち母親もノイローゼになって、精神的に不安定になっていきました。いつしか彼女も“あんたのせいでアタシが怒られるんだよ!”って、ことあるごとにA子ちゃんをなじるようになったんです」(前出・近隣住人)

 張りつめた心を癒す時間も場所もないまま過ごす毎日は、彼女の心に、負の感情を澱のように蓄積させ、いつしかその感情は心の容量を超えてしまった。

 一線を踏み越えたA子に対し、同居していた姉の悲しみは深い。

「姉はこの数年、ずっと仕事で忙しくて、妹の悩みを聞いてあげる時間がなかったそうで、“あの娘が苦しんでいるのを知っていながら、なぜ私が支えになってあげられなかったのか”って、泣き続けているそうです…。彼女は犯人隠避の疑いで警察の事情聴取を受けていますが、“事件を防げなかったのは私の責任です”とまで話しているそうです」(捜査関係者)

※女性セブン2014年10月23・30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
ドラマ『Believe -君にかける橋-』で木村の妻役で初共演
初共演・天海祐希もハイテンションに! “木村拓哉の相手役”が「背負うもの」と「格別な体験」
女性セブン
オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン