さらに答弁では、別の重大な問題も明らかになった。騒動の発端となったメールについて、塩崎氏は「不正アクセスをされて盗られたもの」と主張した。
本誌取材に対し、塩崎事務所の代理人である弁護士の塩崎彰久氏(塩崎大臣の長男)も「サーバーの管理業者に問い合わせたところ、ハッキングの可能性が非常に高い。犯罪行為だ。法的措置を検討中」と述べた。
厚労委員会でセキュリティ面の甘さを長妻昭代議士(民主党)に指摘された塩崎氏は「ご心配ありがとうございます」と笑顔を見せた。何か勘違いしているのではないか。塩崎氏のプライベートなメールの流出を“心配”しているわけではない。
一国の大臣が秘書とやり取りしているメールサーバーがハッキングされたということは、国家機密に触れる情報や国民生活に関わる情報が漏洩している可能性がある。
塩崎事務所は一刻も早く警察に相談して不正アクセスの経緯を調べ、どういう情報が流出したのか、被害の詳細を国会の場で報告すべきだ。それとも警察に迅速に相談できない理由があるのだろうか。
単なる「法令解釈の問い合わせ」と嘘をつき、証拠となるメールの公開から逃げ回る──塩崎氏は責任逃れの口上を学ぶのではなく、そんな姿勢が長い間国民の政治不信を招いてきたことをこそ知るべきだ。
※週刊ポスト2014年10月31日号