撮影後は再びテーブルに戻って食事を楽しもう。メインディッシュの黒毛和牛フィレ肉のグリルと根室産蝦夷鹿のグリルを食べ終わったころ、船は羽田空港沖に差しかかる。今度は羽田の滑走路を離着陸する飛行機のオレンジ色の光が幾筋にも見えては消えていく。再びデッキに出て、用意しておいた決めぜりふを。「次はあの飛行機に乗って海外のリゾートにでも行こうか──」

 なお、このときにクリスマスプレゼントを渡すのもお忘れなく。

 デッキで冷えた体は、船内に戻ってコラーゲン入りの甘い『シンフォニーオリジナルホットワイン』(864円)で暖めよう。最後にデザートを食べてお腹が一杯になったところで、再びレインボーブリッジが見えてくる。右手にお台場、正面にレインボーブリッジと東京タワー、この豪華な組み合わせの夜景は、東京に住んでいる者にとってもじつに新鮮な光景である。
 
 ちなみにこのディナークルーズの別名は「ハートクルーズ」。ダブルツリー(東京タワーと東京スカイツリー)、ダブルブリッジ(レインボーブリッジと東京ゲートブリッジ)の各スポットを、ハート型のルートでめぐるからである。

 約2時間半のディナークルーズをたっぷり楽しみ、夜9時半に船は日の出桟橋へ戻る。

■鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)/千葉県富津市生まれ。航空・旅行アナリスト、帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師。文化放送「オトナカレッジ」に「トラベル学科」講師としてレギュラー出演中(毎週金曜日20時~)。著書に『That’s ANA マニュアル ANA 公式ガイドブック』『エアラインの攻防』など。1年間のフライト数は100以上。

※週刊ポスト2014年12月19日号

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