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略奪、レイプ、拉致 イスラム国が暴虐を繰り返す理由とは

 史上最凶のテロ集団ともいわれる「イスラム国」は、日本人の思考や感情、常識からはかけ離れた“土壌”で生まれ、手の付けられないモンスターと化した。日本に刃が向けられた今、私たちが自らの安全を守るためにも、知っておくべき事柄をまとめた。

 イスラム国が理想としているのは、7世紀の預言者ムハンマドと、その死後、後継者の4代正統カリフが統治した時代のイスラム社会だ。

「つまり、イスラム国は7世紀の世界を21世紀の現代に再現しようとしているのです。簡単に人を殺すのも、当時の人命の軽さを再現しているからです」(元在シリア特命全権大使・国枝昌樹氏)

 イスラム国は異教徒の女性や子供を拉致したり、女性をレイプして奴隷として売るなどしている。

「確かにコーランでは非ムスリムを捕虜にした場合だけ奴隷にすることを認めていますが、一方で『奴隷の解放はもっとも価値のある善行』とも書かれている」(国枝氏)

 イスラム国の特異な点は何より国家を指向している点だが、それだけではない。

 米国と敵対してはいるが、彼らが第一に暴力の矛先を向けるのは、制圧地域の「不信仰者」や「異教徒」など“内なる敵”である。

 既存のイスラム教過激派組織ともあまり連携しない。もとはアルカイダの系統に属していたが、シリア国内の組織を吸収しようとした時、アルカイダ側が認めない裁定を下したため、それ以降、決別し、孤立状態にある。

 ただし、現在ナイジェリアで勢力拡大中の「ボコ・ハラム」やイエメンを拠点とする「アラビア半島のアルカイダ」など、イスラム国に共鳴する過激派が今後増えることが懸念される。

※SAPIO2015年3月号

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