ビジネス

スティック型掃除機 2台持ち需要を取り込んで新機能も続々

家電量販店にズラリと並ぶスティック型掃除機

 花粉対策や新生活のスタート時期も重なり、家電量販店などでは掃除機のコーナーが盛況だ。いまや掃除機は買い替え需要だけではなく、「2台持ち」も珍しくない時代。中でも、売れ筋はスティック型の掃除機である。

「本体の大きな掃除機(キャニスター式)は持ち運びが大変なうえ、部屋ごとにコードを繋ぐコンセントを替えるなど一仕事でした。その点、スティックタイプはコードレスの充電式ですし、ちょっとした部屋の掃除や車の中にも持っていけるので、目的に応じて使い分けています」(30代主婦)

 ここ数年の間で、スティック型掃除機は国内メーカー各社から多数登場し、選ぶのも迷うほどの“百花繚乱”状態となっているが、もともと海外メーカーの製品が火付け役となった。IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志氏が解説する。

「スウェーデンのエレクトロラックス社が2004年に発売したスティックタイプの『エルゴラピードシリーズ』を皮切りに、ダイソンが2006年にハンディータイプの『ルート6 DC16』を発売したことで、一気に注目度が高まりました」

 脅威の集じん・吸引力を売りに人気を博すダイソンはその後、2011年に〈コードレス掃除機で家全体を掃除する〉とのコンセプトでロングノズルを付属する『Dyson Digital Slim DC35』を発売し、スティック型掃除機のジャンルを確立させた。

 現在もスティック型は〈エレクトロラックスタイプ〉と〈ダイソンタイプ〉に大別され、それぞれにメリットとデメリットがある。

「エレクトロラックスタイプは重心が低く、ハンディー掃除機を本体から取り外せる『2in1方式』になっているモデルも多いため、手軽にテーブルの上などを掃除しやすいのが特徴です。その代わりロングノズルのまま壁や天井、エアコンの上などを掃除するのには向きません。

 一方、ダイソンタイプは手元に重心があるスタイルで、さまざまな場所をガッツリと掃除したい人にはお薦めですが、重さがある分、フロア掃除でも少し力を入れなければなりません。また、エレクトロラックスタイプのように専用の充電台がなく本体充電式なので、収納に難ありのモデルも多いので注意が必要です」(前出・安蔵氏)

 日本メーカーも決して負けてはいない。両タイプの一長一短に縛られず、独自の機能を詰め込んだスティック型掃除機を発売して差別化を図っている。

 例えば、東芝の『TORNEO Vコードレス(VC-CL100)』は、延長管をつけても肩掛け式で高所の掃除ができるスタイルを採用。パナソニックの『MC-BU100J』は、ヘッド部が壁に当たるとブラシが隅のゴミを強力に吸い出してくれる「ガバとりパワーノズル」を搭載している。

 また、シャープの『FREED EC-SX200』は充電池の取り外しが可能で、別売りの充電池を購入すれば長時間使用ができる。

「同製品は収納面では若干の難点があるものの、急速充電器が付属されているなど他社にはない充電スタイルに加え、値段の安さ(実勢価格3万870円)も魅力です」(安蔵氏)

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン