国内

「女子」に対し「あの人はオバさんだ」とは言えないのが現実

 安倍政権が進める「女性が輝く社会」には、諸手を挙げて賛成。でも、ちょっと、男としては息苦しい世の中になってきたなと……。コラムニストの亀和田武氏が、“怒られるのを承知で”熟年女性に言及した。

 * * *
 21世紀のニッポンを跳梁跋扈する〈女子〉たちの暴走が止まらない。女子力アップに女子会。その言葉を見聞きしない日はないほどだ。などと指摘すれば、反応は決まっている。

「それが何か?」

 さらには「そういう偏見もってる人って、アタシたち女子にいわせると、イケてない男の愚痴っていうか、聞いてるコッチが痛いっすよ」といったドスの利いた脅し文句を浴びせられること必至だ。

 少女でもない女性が、自分を〈女子〉と詐称しても、罪に問われることのない社会。どころか「王様は裸だ!」と叫んだ子どものように、「あの人は女子じゃない、オバさんだ!」と真実を公言したとたん、激しいバッシングを受けるのが、この国の現実だ。

 女子が増殖した背景には、彼女たちの“老い”への恐怖がある。アラサー(って言葉も品がなくて嫌だね)を対象にした女性誌が「女子力を磨こう」と表紙に大きく謳った時点で、違和感はあった。

 でも30歳前後でも、少女っぽさを残した人はいるから。そう自制していたら、アラフォー雑誌にも〈女子〉の文字が一気に増えた。

 シニア女性誌を支える大きなテーマは〈若さ〉への異常なまでの執着だ。アンチエイジング。自然な年の積み重ねを、金とスキルで回避しようという無謀な企みだ。

 カルトな信仰にも似た若さへの渇望が産みだした呪文、それが〈女子〉だ。

 肌も肉体も、年相応に変化する。その現実から目を逸らすため「アタシたち女子はさ」と一言叫べば、女子会という名の、実態は「アタシが、アタシが」の怒号飛び交う、相手の話などお構いなしの自己主張の場までが公認されてしまう。

 働く独身女性が、職場でのストレスから逃れるため〈女子〉にすがる気持ちは、判らないでもない。「あの親父も、使えない奴ですよねえ」などと酔った勢いで喚く姿に遭遇するとさすがに鼻白むが。

※SAPIO2015年4月号

関連記事

トピックス

オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン