ビジネス

ローソン 買収した成城石井売れ筋商品の販売を大前研一提案

ローソンがさらに飛躍するための戦略は何か

 コンビニエンスストア業界では、全店売上高で業界2位と約1兆円もの差をつけてセブン-イレブンが圧勝している。理由は商品開発力だが、2014年に高級スーパーの成城石井を買ったローソンなら、セブン-イレブンの牙城を崩す可能性はあると大前研一氏は分析している。

 * * *
 成城石井には、ワイン、ハム、ソーセージ、弁当、惣菜などにユニークな商品がたくさんある。紀ノ国屋やナショナル麻布に行かないと手に入らなかったような商品も置いてあるので、私の妻も頻繁に近所の成城石井を利用している。

 また、最近は成城石井の一部の店舗前に、よく中国人観光客を乗せたバスが停車している。昼食用の弁当や惣菜、飲み物を買い、それをバスの中で食べているのだ。レストランに立ち寄る時間とコストを節約しているわけだが、旅行会社やガイドが成城石井の弁当・惣菜は美味しいということを知っているから、わざわざやってくるのだろう。いまコンビニに問われているのは、そういう商品開発力だと思う。

 したがって、私がローソンの社長なら、ローソンの中に成城石井の売れ筋商品100アイテムくらいを並べた「ショップ・イン・ショップ」を作るだろう。そうすれば特色が出てセブン-イレブンのオリジナル商品やプライベートブランド(PB)商品に対抗できるし、高級スーパーだということが消費者に認知されていて値段が取れるから、客単価も平均日販も上がると思うのだ。

 また、消費者の期待値はローソンより成城石井のほうが圧倒的に高いが、成城石井はドリンク類やお菓子なども含めたすべての商品単価が総じて少々高い。だから、ショップ・イン・ショップにすれば、ローソンで成城石井の「ちょい高」オリジナル商品と低価格のナショナルブランド(NB)商品が一緒に買えるメリットが生まれる。

 その逆に、ローソンがやってはいけないのは、成城石井のノウハウを導入した商品を大量生産してローソンで安く売り、成城石井の高級イメージを崩してしまうことである。

 それ以外の方法としては、もっと生鮮食料品を充実させてもよいのではないか。すでに野菜や果物は販売しているが、精肉や刺身も取り扱うようになったら、コンビニの様相は一変すると思う。コンビニは1日3回のデリバリーがあるのだから、やろうと思えばできないことはないはずだ。

※週刊ポスト2015年4月24日号

関連記事

トピックス

オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン