――メイド喫茶ではコミュニケーションが主な目的なんですか?

柴田:ワシは昨日、SFが大好きな後輩と一緒にメイド喫茶へ行き、プロットを練っていました。ブレスト代わり毎週、その後輩とはメイド喫茶へ行っています。その瞬間はワシにとって大事な時間ですね。

――メイド喫茶は喫茶店などと違ってずーっと何かの音が鳴っていると思うので仕事をするには向いていないように思うのですが?

柴田:メイドさんが別のお客さんと話していると聞き耳を立てちゃいますが、大丈夫です。ワシ、基本的に音がないと落ち着かない人間なんです。何もなくてもテレビはつけていますし、ラジオとテレビを同時につけることもあります。頭の中に随時、いろんな情報を流し込んでおかないと落ち着かないタイプなんですね。テレビはよくテロップが出るので、テレビとラジオのふたつくらいは情報を追えます。好きなので、これくらいは大丈夫です。

――テレビやラジオのどちらかを視聴しながらネットかゲームをやっているという話は聞きますが……。

柴田:もちろんゲームもやっておりますれば。『艦隊これくしょん』もやっておりますし、「とうらぶ」(『刀剣乱舞』)もやってますよ。ブラウザゲームなので「艦これ」と「とうらぶ」を別ブラウザで開き、ラジオとテレビをつけて、原稿をカチカチやり、合間にモバマス(『アイドルマスターシンデレラガールズ』)をやっております。

――書かれているのは小説ですが、いつか映像作品に関わりたいという願望もありそうですね。

柴田:めちゃくちゃあります。映像化できるような作品を書きたいなあとも思っています。『ニルヤの島』は映像化が難しそうですから。完全な私情ですが、アニメに関わりたい思いはものすごく強いです! ワシの血肉である戦国とアイドルの両方の要素を入れて戦国アイドルとか、見てみたいですよね。

――次回作への準備だけでなく、今年は修士論文執筆も控えているとか。フィールドワークはこれからですか?

柴田:主に水戸から東北のほうにかけて回る予定です。お城にも寄れそうなので楽しみにしています。水戸光圀公のお城をはじめとして、仙台にも行くので、間違いなく青葉城も。最近、武将ゆかりの観光地には甲冑を着られるサービスがありますよね。今までは、城郭を訪れることはできても時間が足りなくて甲冑を着るチャンスを逃しています。それがすごく悔しいので、ぜひ、甲冑を身に着けてみたいですね。

●柴田勝家(しばた かついえ)1987年10月3日東京都生まれ。本名は綿谷翔太。第2回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作『ニルヤの島』(早川書房刊)で作家デビュー。成城大学大学院文学研究科に在籍。修士論文のテーマは日本の媽祖(まそ)信仰。アイドルマスターの本家では星井美希、シンデレラガールズでは成宮由愛がお気に入り。東京都在住。5月4日開催の第二十回文学フリマ東京(東京流通センター)ではサークル「10L」で参加した。

※写真提供:早川書房

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