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WBC誤審のデービッドソン審判 なぜエース格扱いだったのか

 2006年3月12日、野球の世界一決定戦・WBC2次リーグ初戦。日本代表対アメリカ代表、3対3で迎えた8回表、1死満塁。レフトフライからのタッチアップが、三塁ランナーの離塁が早いとしてダブルプレーを成立させた誤審は、主審ボブ・デービッドソンによってもたらされた。デービッドソンはメキシコ対アメリカでの「ホームランを二塁打扱い」するなど、その後の試合でも疑惑の判定を見せた。

 アメリカのメディアからも批判が相次ぎ、「(カリフォルニア・ドリーミングならぬ)カリフォルニア・スキーミング(陰謀)」「ワールド・ボブ・クラシックだ」などと揶揄された。

 もともとデービッドソンは誤審の多い問題審判として有名だった。

 1992年のワールドシリーズでは同シリーズ2例目のトリプルプレーが成立するはずだったが、塁審を務めていたデービッドソンがプレーを見逃し、ダブルプレーにしてしまった。1998年のレギュラーシーズンではサミー・ソーサと本塁打王を争っていたマーク・マグワイアが放った外野フェンスを越える打球を二塁打と判定し、「史上最低の審判」と酷評された。その他、「やたらとボークを取りたがる」「感情的な判定がある」「ストライクゾーンが安定しない」といった批判の絶えない審判だった。

 そんなお騒がせアンパイアがなぜ、第1回WBCという記念すべき大きな大会で、しかも審判団のエース格扱いで起用されたのか。

 実は、大会に登録されたアメリカの審判22人のほとんどは、デービッドソンを含めてマイナーリーグの審判だった。本来はメジャーの審判が登録されるはずだったが、WBCを主催するMLB機構とメジャーの審判組合が報酬を巡る交渉で決裂したため、メジャー審判が参加しなかったのである。

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