ビジネス

タワーマンション低層階の購入 眺望に替わるメリットもある

タワーマンションで低層階に住む意味とは

 タレントの島崎和歌子さんがテレビのバラエティー番組(7月3日放送「ビートたけしのいかがなもの会」/テレビ朝日系列)に出演した際の発言が物議を醸している。

「私の友達夫婦がすごく高いタワーマンションの3階に住んでるの。ふつう、タワーマンションだったらエレベーターで上がるけど、3階だから階段で上がるの(笑)」

 放送後、ネット上では〈2階や3階の住人に失礼だろ〉〈脳内がまだバブル時代〉などと批判が相次いだが、タワーマンションの低層階に住むメリットはないのだろうか。『やってはいけないマンション選び』の著者である住宅ジャーナリストの榊淳司氏が解説する。

 * * *
 タワーマンションの住民には心理的なヒエラルキーがある、というのはよく言われることだ。タワーマンションとは20階以上の超高層集合住宅のこと。最近では50階や60階も珍しくなくなった。その魅力は何といっても眺望である。

 そんなタワーマンションの低層階に住むのは何の意味があるのか、という議論はあって当然。島崎さんは「レインボーブリッジが見えるロケーションなのに、ベランダに出たら何も見えない。でも『設備は他の階と一緒だから』と言って住んでるの(笑)」と発言したそうだ。

 新築分譲で販売されるタワーマンションの場合、低層階と高層階では大きな価格差がある。低層階は高層階に比べて坪単価で3割以上割安になるケースも多い。しかし、その「格差」によって高層階の区分所有者が低層階の住民を蔑むこともあるそうだ。逆に低層階の区分所有者は高層階住民にコンプレックスを抱くかもしれない。

 住民同士、普段は交流がないがエレベーター内の視線や、幼稚園や小学校の「ママ友」社会にはそういう「格差」が存在する、と言う話を聞く。共用施設のスポーツジムなどで知り合った住民に「何階にお住まいですか?」と聞かれることもありそうだ。

 では、実際にそういった格差の裏付けはあるのだろうか?

 まず、タワータイプは通常の板状型マンションに比べてランニングコストが高い。ザックリいうと、管理費や修繕積立金が約1.5倍なのが普通。マンションの管理費や修繕積立金は主に共用部分の維持管理コストである。

 たとえば、エレベーター。低層階の居住者は高層階の住民に比べてエレベーターでの移動距離や使用頻度がかなり少ないはずだ。しかし、管理費や修繕積立金は住戸の専有面積割合で課せられているケースがほとんど。いってみれば、あまり使っていないエレベーターの保守点検費用を高層階の区分所有者と同じ割合で負担させられている。不公平といえば不公平だ。

 中古として売却する場合、高層階なら眺望が大きなメリットになる。「レインボーブリッジが見える」、「晴れた朝には富士山を拝める」というのは大きな魅力だろう。低層階ではそれが望めない。それでいて、ランニングコストは板状型マンションよりも割高。これが売却には不利に働く。

関連記事

トピックス

遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン