柳:韓国人はそうした日本人の思考を学ばず、排他的かつ国粋的な目線で日本を敵対視してきました。韓国社会は、儒教的思考が国土を支配したがゆえに硬直化しています。
日本は黒船来航のあと、西洋文明を取り入れ発展しましたが、朝鮮は異文化を受け入れることを拒みました。そうした排他性が今でも残っているので、日本を見習おうとしなかったのでしょう。
金:自国の弱点をきちんと理解した上で、他国から何かを学ぶことは恥ずかしいことではありません。韓国は「日本より優越でありたい」という意識を捨て、良き面を学び取ろうとする視野を持つべきなのです。
【PROFILE】金容雲/1927年東京生まれ。早稲田大学中退後に渡米。ウィスコンシン州立大学助教授、東京大学客員教授を歴任し、1968年に韓国に帰国。近著に『「日韓」の終焉と始まり』(三五館刊・平井敏晴共著)がある。
【PROFILE】柳舜夏/1943年京都府生まれ。戦後、韓国に帰国。純文学の作家として長年にわたり韓国文壇で活躍する。1980年に「韓国文学新人賞」を、1989年に「第1回怡山文学賞」(日本の泉鏡花賞に相当)を受賞。韓国きっての保守論客としても知名度が高い。『韓国人の癇癪 日本人の微笑み』(小学館刊)など著書多数。
※SAPIO2015年8月号