アメリカでは社会保障番号として、9ケタの数字が利用されている。行政サービスを受ける際の本人確認などに利用されているが、民間利用も制限されていない。そのため、マイナンバーを悪用される被害が発生している。
たとえば、なりすましによってクレジットカードとローン口座を42件作成され、高校卒業時点で150万ドルの借金を背負わされていた女性もいるという(トレンドマイクロ調べ)。
また、ひとつの番号にさまざまな個人情報が集約されることになると、情報が漏えいした場合に、プライバシーが侵害される恐れもある。将来は医療情報の紐付けも検討されており、マイナンバーが漏えいすることによって、病歴などを他人に知られてしまう可能性がある。
このような被害を防止するため、マイナンバーを流出させた場合には、厳しい罰則が設けられている。たとえば正当な理由なくマイナンバーを提供した場合には、4年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される。これは、マイナンバーを漏らした本人だけでなく、会社も罰則の対象となる。個人情報保護法より厳しい罰則だ。
しかし、スタートが目前に迫った現在でもマイナンバー管理のための体制が整った会社は少なく、いざ運用が始まった時に情報漏えいが起きてしまう可能性が高いということだ。会社からマイナンバーの提出を求められたとき、拒否するのは難しいだろうが、少なくとも、どのような管理体制になっているのか、確認をしたほうがよさそうだ。
※マネーポスト2015年秋号