軍隊の必要性を認めた上で「憲法九条を守れ」と主張することは、極めて重大な人権侵害であることに君たちは気がついているのか? 「必要ない」と言うなら仕方がないが「必要」ならば、自衛隊及び自衛隊員は法治国家日本において正式な存在であるべきだ、しかし憲法九条は法律がなんと言おうと彼等の存在を否定している。だから憲法九条を守るということは、実は自衛隊員の地位と権利を正式なものとしては絶対に認めないということになる。

 これもわかりやすく時代劇にたとえようか。

 ある旗本の家、そこが突然武装強盗に襲われた。先代の嫡男である当主が撃退しようとしたが日ごろから武芸にはうとく、危うく殺されそうになった。そこへ颯爽と登場したのが側室の生んだ次男、つまり当主の弟である。次男の命をかけた奮闘で賊は撃退された。そして、あそこには強い用心棒がいるという評判が立ち賊も敬遠するようになった。何もかも弟のおかげである。

 ところが兄は感謝するどころかこう言う。「メカケの子のくせに図に乗るな、お前はあくまで日陰の存在だ。メシは食わせてやるが、名誉も地位も求めるな!」。
 
 どうです? ひどい兄だとは思いませんか? 人間のクズと言っても過言ではないだろう。

 しかし「憲法九条を守れ」と言うのは実はこれと同じことで、「自衛隊員よ、お前たちはあくまでメカケの子だ、引っ込んでいろ」と言っているに等しい。そのことに君たちは気がついているのだろうか?

 たぶん気がついてはいないのだろう。気がついているならばこんな態度をとるわけがない。瀬戸内寂聴さんや大江健三郎さんのような日本の良心と言われている人たちも気がついていないのだから仕方がない。本当の日本の歴史を知らないからだ。

※週刊ポスト2015年11月6日号

関連キーワード

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン