トランプ次期大統領の安倍晋三首相への信頼度は高い。安倍氏をいまの世界で最高水準の指導者とみなし、日本をアメリカにとって第一の同盟国とみていると言える。11月17日の両首脳の会談ではトランプ氏は安倍氏に中国への新たな強硬策を伝えたと私は聞いている。

 だからトランプ政権下では日本は中国に対して強い措置をとる際にこれまでのようにアメリカ政府にいちいち了解を求める必要はもうなくなるだろう。

 トランプ氏は安倍首相に今後のアメリカが中国に対して新たに厳しい姿勢をとることを内密に告げ、その後に台湾の蔡英文総統と電話会談することでその姿勢を内外に明示したのだ。

 だから2017年は、アメリカはこれまでと異なる対中政策をとり、その結果、まったく新たな米中関係が始まるだろう。その変化は日本にとっても、プラスが多いと言える。

【PROFILE】1942年、ルーマニア生まれ。ロンドン大学、米ジョンズ・ホプキンス大学で学び、国防省長官府任用。現在は戦略国際問題研究所(CSIS)上級アドバイザー。『自滅する中国』『中国4.0』など著書多数。

※SAPIO2017年2月号

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