新幹線特需的な集客効果が持続困難なことは想定されていたが、函館エリア人気ホテルのADRは微増ながらも上昇傾向が続いているという。
函館観光が注目されることはホテルサービスの拡充に繋がる。安直なブームは一時的な高稼働をもたらすが従前の顧客を逃す危惧もある。一方で、新たなゲストが訪れた時に提供できるホテルクオリティは、リピーターを獲得する試金石ともいえるだろう。
北海道新幹線の開業、さらなる札幌延伸、東京オリンピックなどを契機に、大規模改修や投資が行われている函館エリアのホテル。閑散期の集客など課題も残っているが、注目されることを好機と捉える運営会社の努力が、クオリティに見合った料金設定に繋がる。“実を伴った”好循環に期待したい。
取材・文■瀧澤信秋(ホテル評論家)※写真提供も