猫との関係は「下僕」になるのではなく「対等」を目指すべし(写真/アフロ)


◆初めての猫、どう迎える?

――猫は「2匹で」とおすすめされていますが、その理由は?

 長年、外には出さないインドアキャットとその家族を多く見てきた経験から、人と猫がバランスよく暮らすには2匹がいいと思うようになりました。順応性に優れて自立した単独生活の動物である猫を、人はその見かけのかわいらしさからか、ややもすると「私がいなければこの猫は生きていけない」と勘違いしてしまいがちです。一方、猫は人に対して「このテリトリーで私が一番」を主張して、早朝のごはん催促やトイレ以外の場所におしっこするなどの行動で関心を引こうとします。そうすると人は何でも猫の言うとおりにしなくてはいけなくなってしまう。人と猫が1対1で暮らしている家では、ほとんどの人が猫の“下僕化”しています。

 1匹だけだと猫が専制君主になったり、人にストレスを発散するといったことがあり、人の方も留守番させることに引け目を感じたり、過保護・過干渉になったりしますし、猫が亡くなったときのショックも大きいです。でも、2匹なら猫としての社会性が出て適度のストレスで免疫力が上がる、遊びなどで運動量が増える、猫同士の毛繕いができる、暖をとれるという利点があり、人の方も放っておいても平気になるとか、2匹を比較して異変を見つけやすいなど、双方にとってメリットが多いんです。

――初めて猫を迎えるなら、子猫よりも成猫がいい理由とは?

 子猫はまだ性格が定まっていないので、どんなふうに育つかわからないですよね。初めてでとても手間のかかる猫がくる可能性だってあります。問題行動が何年もずっと続いたら人はノイローゼになります。その挙句、猫を捨てようなんて思ってしまったら、両方とも不幸です。2歳~12歳の成猫は心身共に安定して個性も出てきますから、初めて猫を迎えるなら、自分の好みやライフスタイルに合った成猫がおすすめです。

 猫に甘えてほしいと思うなら、スキンシップの好きなタイプを選べばいいし、反対にツンデレな猫が好きな人だっていると思うんです。猫が甘えっ子の場合は、人が家にほとんどいないとストレスになりますが、逆にそれを好む猫もいます。大事なのは組み合わせ。雄と雌でも違うし、種によっても違います。野性味が強い種は、去勢をしていてもテリトリー意識が強いのでスプレー行為を続けることもあります。ですから、まず、自分はどういう猫を望んでいるかを考えてみてください。

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