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人手不足で高騰する初任給 新たな学歴格差生む懸念も

「いくら専門的なスキルを学んだ東大卒の学生であっても、その知識をビジネス現場で存分に発揮できる保証はありませんし、学生時代の研究テーマも指導教授が優れているだけで、学生自身の評価を採用面接などだけで見極めるのは難しいでしょう。

 しかし、結果的に企業側は優秀な教授が集まる偏差値の高い大学の学生から採用し、初任給で格差をつけることになる。つまり学歴の序列化が一層鮮明になる可能性があります」

 そもそも、高い初任給で就職した学生が、その後もトントン拍子に昇給し、高い給与水準を維持できる賃金体系になっていないことが、今の時代のカラクリだ。

「日本型企業の給与は基本給以外に、家族手当や住宅手当、役職手当などの手当てが加算されて支給しますが、現実にはこうした諸手当はどんどん減らされる傾向にあります。特にIT系は年功序列や生活給的な属人手当を排除している企業が多いので、いくら初任給が高くても、その後は会社業績に結び付く成果を出さなければ給料も上がりません。

 当たり前ですが、本当にその会社が自分に合うかどうかを初任給だけで決めるのは早計です。仕事の細かい内容やキャリアアップの可能性、その他、労働時間や有給休暇の消化率、もっといえば企業風土までしっかり把握しておきたいところです」(溝上氏)

 企業側も初任給だけで学生を釣っていても、早晩、見限られてしまうだけだろう。

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