ビジネス

「大根1円」激安販売 「ハイ&ロー」商法は長続きしない

 ただ、今回の1円販売で考えさせられることがあります。2つのスーパーは以前から公取に睨まれていることが分かっていたはずなのに激安競争を続けていたのは、消費者の食品や生活雑貨を中心とした日常消費に使う支出額が増えていない証拠だということです。

 奇しくも今、西友やイオン、ダイエーもトイレットペーパーなど日用品を一斉に値下げしていますし、これまで値下げとは無縁だったセブンイレブンなどコンビニまで値下げを行なっています。それだけ消費者の財布のヒモは固く、売り上げが伸びないんです。

 その一方で、酒の安売り規制でも見られたように、値引きの企業努力に対して国がモノの価格に介入しようとしていることは問題です。異常な価格引き下げや不当な圧力をかけた業者を公取が取り締まるのは当然ですが、それとは別に政府が価格統制をするようなことがあってはなりません。

 背景には、何とかインフレ目標2%を達成してデフレ脱却を果たしたいという思惑があるのでしょう。しかし、本来、商品の価格は需給関係で決まるもの。企業は政府のインフレ目標のために価格政策をやっているわけではなく、冷静に消費者動向をみています。そうした民間の健全な競争を阻害しかねない空気が蔓延しているのはいかがなものかと思います。

 1円販売という過度な手法だけを俎上に載せて、安売り自体を否定するような流れにならないことを望みます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
退職した尾車親方(元大関・琴風)
尾車親方、相撲協会“電撃退職”のウラで何が…「佐渡ヶ嶽理事長」誕生を目指して影響力残す狙いか
週刊ポスト
5月13日、公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受けた黒川邦彦代表(45)と根本良輔幹事長(29)
《つばさの党にガサ入れ》「捕まらないでしょ」黒川敦彦代表らが CIA音頭に続き5股不倫ヤジ…活動家の「逮捕への覚悟」
NEWSポストセブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
女性セブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン