だが、いくら自販機を設置しても、ロケーションに応じて「売れる商品」を集められなければ、賞味期限の短いチルド食品や弁当などは“廃棄回収”となるだけだ。商品ラインアップの心配はないのだろうか。
「元来、コンビニは大型スーパーなどと違って徹底的に売れ筋商品を集めた店づくりで成長してきました。それが自販機ではさらに60~75アイテムに絞り込むので“究極の自販機”といえますが、商品が少ない分だけ、入れ替えや補充も臨機応変に対応できます。
また、特定のオフィスや工場などに置く場合、自販機の横にアンケート用紙を置いて、どんな商品が欲しいか要望を聞くこともできる。ある意味では有人店舗よりも仕入れ・販売効率はいいかもしれません」(前出・清水氏)
今後は同じオフィスビルのフロア内で「ファミマvsセブン」の自販機が並び、販売競争を繰り広げる──なんて光景が普通になるかもしれない。
しかも、2チェーンの対決ばかりではない。ローソンはオフィス内にセルフレジ端末を置いて50~60種類の商品を売る「ミニコンビニ」事業を強化。2018年2月までに1000か所の設置を掲げている。
自販機ビジネスを含め“無人コンビニ”の利便性をどこまで訴求できるか。それによって、コンビニ業界全体の「伸びしろ」が決まってくるといっても過言ではない。