診断方法や治療法の研究は9年目を迎えている。診断は心筋の脂肪蓄積の心筋シンチグラム検査や心筋生検を行なう。血管に関しては、CTやカテーテル検査で血管の壁を調べる。

「我々は治療薬の研究も行なっており、中鎖脂肪酸を使うと心臓の中性脂肪がうまく分解できることがわかりました。これまでにアカデミア(大学発)創薬でカプセルを作り、医師主導の治験で毒性と有効性の効果の判定を行ないました。来年度から、いよいよ多施設共同での治験を実施する予定です」(平野医師)

 重症の心不全や心筋症、冠動脈閉塞の患者に抗コレステロール薬を投与しても効果があるのは約3割で、残りの7割の中に、この病気の患者が含まれる。また患者の一部が糖尿病を患っていることから、糖尿病との関係も推察されている。重症化予防のためにも早期診断と新薬開発に期待がかかる。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2017年10月27日号

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