「マイナス金利政策の影響で法人融資や国債保有の利ざやが減り、これまでのビジネスモデルに転換が迫られている。業績の赤字転落を避けるためにはAI活用による業務効率化が急務だったのでしょう」
業務純益は三菱UFJとみずほがともに2割を超える減益(2017年3月期決算)。三井住友も2018年3月期決算では最終利益が1割超落ち込む予想だ。
報道について三井住友は「テクノロジー等の活用により、本社部門の業務プロセスや営業部門の事務プロセスの高度化・効率化を図る」(FG広報部)と答え、他の2行は「まだ決定事項ではない」との説明だったが、いずれも「人員カットではない」との見解は共通している。
だが、これまで人が担っていた業務が、AIに変わっていくという流れは、当の銀行員たちが実感している。バブル後入社世代の40代メガ行員はこんな本音を明かす。
「これが“AIリストラ”に向けた地ならしだという危機感はある。入社した頃は“銀行の仕事は人と人との繋がりが重要”と教えられてきた。だが、マニュアル化が進んだ現在の業務内容を見る限り、“人でなくてはできない”とはなかなか言いにくい」
※週刊ポスト2017年11月17日号