(4)本業で副業・兼業先の話題は口にしない
「副業の会社ではこんなことをやっている──と、本業の会社でペラペラしゃべる人がいます。本人は、副業の経験が本業に活かせていることをアピールしているつもりかもしれませんが、明らかに逆効果です。
会社側は、副業先で同じように自社のことをペラペラしゃべっているのではないか、と考えるもの。情報漏洩の疑いをかけられるもとになりますし、『そんなに副業先がよければ、そっちを本業にしたら?』と、上司の機嫌を損ねることにもなりかねません」
(5)本業と副業の間には時間的な余裕を持つ
「本業と副業をキツキツのタイムスケジュールで組んでいるために、終業時刻の前から帰る準備を始めて、終業時刻のチャイムのなる前に帰り支度を整えて、チャイムと同時に会社を飛び出す……という人がたまにいます。これは上司から『手を抜いている』と注意される格好の材料となります。
もちろん、定刻に帰ることは問題ありません。しかし、『副業・兼業に遅刻してしまうので、できません』と、副業・兼業を理由に残業を拒否するのは考えものです。本業の労働契約に〈時間外労働あり〉という文言がある場合、いつも拒否するのは、契約不履行と言われても仕方ありません。『○○さんは、アテにならないから』と、重要な仕事を任せてもらうチャンスをみすみす手放すことにもつながります」
(6)給料が安いからという本音を口に出さすのはNG
「給料に関して、経営者と労働者の見解は常に食い違っているのが世の常です。特に賃金テーブルがなく、社長が従業員の給料を感覚で決めているオーナー系中小企業で働く人は厳禁です。
『給料が安い』は、会社を切り盛りしてきた社長の自尊心を最も傷つける言葉です。万が一、社長の耳に入れば、報復査定の憂き目にあうことも考えられます。『○○は兼業しているから、生活は問題ないだろう』などと、副業していない人よりも、給料アップの額を抑えるなんてこともあるかもしれません」
副業解禁時代になっても、これだけの“落とし穴”が待ち受けている。今年から副業を始めようと考えている人は、なぜ『副業・兼業をしたいのか』という明確な目的意識と、働き方のスタンスを定めておく必要があるだろう。