また牛肉偽装事件についても〈BSE(狂牛病)問題が追い討ちを掛けたため、経営状況を何とか好転させようとして苦し紛れにこの不正事件を起こした〉と手厳しい。
社史編纂委員会事務局長としてまとめた矢後博邦氏(現・同社健康保険組合常務理事)は、その意図についてこう語る。
「あのような事件を二度と繰り返さないという思いで、反省と教訓を形として残すことが主眼でした。執筆は事務局のメンバーで分担したのですが、当時のいろいろな感情が思い起こされる中、主観的な表現は極力避け、淡々と事実に基づく客観的表現で記録することを心がけました」
暗い過去に正面から向き合うからこそ会社の明るい未来が作られていく。
※週刊ポスト2018年1月12・19日号