自分は特別というだけでなく、北朝鮮は韓国よりも上という意識が彼女の中に強いのだろう。というのも、玄氏は、北朝鮮では牡丹峰(モランボン)楽団の団長として、また元歌手でありながら、初めて朝鮮労働党中央委員会の委員候補となったことで有名。金正恩朝鮮労働党委員の愛人と噂されたこともあり、金委員長と直接、接触できる人物と言われているからだ。
彼女が印象づける特別感も、それを威厳があると評するメディアがあるのも、そんな金委員長の威光があるからこそだ。だからこそ、ふてぶてしいほどの振る舞いをしないと、自分の地位だけでなく命までが危うくなってしまう可能性があるのかもしれない。彼女の振る舞いを見ていると、本人がどう思うかより、その姿が金委員長の目にどう映るかが重要なのではないかとさえ思えてくるからだ。
さて、北朝鮮ではもう1人、玄氏と似たような態度と表情を見せた女性がいる。それは北朝鮮の外務省北米局局長の崔善姫(チェ・リンヒ)氏だ。“上司よりも偉い通訳”と言われていた彼女は、通訳でありながら2016年に局長に就任した人物だ。やはり金委員長と接触可能な対米交渉のキーマンである。
北朝鮮から、このような表舞台に出てくる女性はほとんどいないだけに、この2人の存在は目立つのだが、並べてみると、どこか雰囲気が似ていないだろうか? そしてここにもう1人、金委員長の妻、李雪主(リ・ソルジュ)氏を並べてみると、3人の顔形や体型などが、どことなく似ていることに気がつくだろう。
北朝鮮で女性が要職に抜擢され、金委員長に信頼されるには、家柄や能力はさることながら、彼好みの容姿がなければならないということだろう。裏を返せば、表舞台に出てくる女性の容姿から、金委員長がその問題をどれだけ重要視しているかが推測できるように思える。
開幕が迫る平昌オリンピック、もうすぐ金委員長好みの北朝鮮美女たちが日々テレビの画面を賑わすことだろう。